質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二五〇号

米軍等の部隊の武器等防護に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月二十日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   米軍等の部隊の武器等防護に関する再質問主意書

 私が平成二十七年八月三日に提出した「米軍等の部隊の武器等防護に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第二二八号)質問三及び四において、G7各国、中国、ロシア等主要国の法制及び運用の状況や米軍等の部隊の武器等防護の国際法上の根拠となる条約、判例等について質問したのに対し、政府は、答弁書(内閣参質一八九第二二八号。以下「前回答弁書」という。)において、「日米防衛協力のための指針」の「平時からの協力措置」における記述や国際人道法研究所が取りまとめた「交戦規定ハンドブック」等の考え方を示した上で、「新自衛隊法第九十五条の二の規定による武器の使用は、(中略)右に述べたところを踏まえると、国際法上認められるものと考えている。」と答弁したのみで、質問に対する直接の答弁となっていない。
 ついては、再度、質問する。

一 前回答弁書三及び四についてでは、G7各国、中国、ロシア等主要国の法制及び運用の状況について、全く答弁がなされていない。政府は、主要国の法制及び運用の状況について、何ら調査を行わずに、米軍等の部隊の武器等防護の規定を創設することとしたのか。もしかかる調査を行っているのであれば、明確に調査結果を示されたい。

二 前回答弁書三及び四についてでは、米軍等の部隊の武器等防護の国際法上の根拠となる条約、判例等についても、全く答弁がなされていない。国際法上の根拠となる条約、判例等は、何ら存在しないということか。政府は、根拠となる条約、判例等が何ら存在しない中で、米軍等の部隊の武器等防護の規定を創設することとしたのか、事実関係を明らかにされたい。

三 「日米防衛協力のための指針」は、「いずれの政府にも立法上、予算上、行政上又はその他の措置をとることを義務付けるものではなく」、また、「いずれの政府にも法的権利又は義務を生じさせるものではない」ことからして、日米防衛協力について日米両国政府の意図を表明した文書に過ぎず、平時において他国の軍隊を防護することの国際法上の根拠たり得ないのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

四 「交戦規定ハンドブック」は、法的拘束力を有する国際文書とは言えず、国際法上の根拠たり得ないと考える。同ハンドブック等の文書において示されているという「他国の部隊に対する武力攻撃に至らない侵害を現場において排除することは認められる」との考え方は、国際法上、どのような法的性質を有する権利に基づくものか。慣習国際法として認められているものなのか、それ以外の何らかの法的概念によるものなのか不明であるので、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。