質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二四四号

米国家安全保障局の盗聴疑惑に対する今後の取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月十七日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   米国家安全保障局の盗聴疑惑に対する今後の取組に関する質問主意書

 内部告発サイトの「ウィキリークス」は本年七月三十一日、財務省や経済産業省、日本銀行、三菱や三井のグループ企業など日本の政府機関と企業の電話三十五か所を米国家安全保障局(NSA)が二〇〇六年又は二〇〇七年ごろから盗聴していた、と発表した。
 このNSAによる盗聴疑惑に対する今後の取組に関し、以下のとおり質問する。

一 オバマ米大統領は、二〇一四年一月に「安全保障上、やむを得ない場合を除いて、同盟国の首脳の通信は傍受しない」方針を明らかにしたとされている。
 日本政府は、首脳の通信以外の日本国内における通信傍受は、黙認するのか。また、米国の安全保障上、やむを得ない場合の日本国内における通信傍受は、首脳の通信であっても黙認するのか。政府の見解を明らかにされたい。

二 NSAによる盗聴疑惑について、八月五日に安倍首相とバイデン米副大統領との間で行われた電話会談で、我が国の調査要求に対する米国の回答が果たされたとすべきではなく、ウィキリークスで公表されたもの以外の情報も含めて、盗聴の手段により、誰を対象に、どんな情報を、いかに入手していたのか、引き続き調査を要求すべきと考えるが、政府の見解如何。
 また、同盟国同士による情報収集の在り方について、共通のルールを検討し、米国に提案していくべきと考えるが、政府の見解如何。

三 今回明らかになったように、企業を標的にした盗聴やサイバー攻撃でも、他国の政府機関が関与している場合が少なくないとみられている。このような攻撃に対して、個々の企業で防御するには限界があり、政府と連携した上での情報の共有や共同の対策が必須となると考える。企業を標的にした盗聴等の防止体制の具体策について、政府の方針を明らかにされたい。

四 今回、日本政府や企業が通信傍受の危険にさらされていることが改めて浮き彫りになった。安倍首相は、本年八月四日の参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会において「(今回の疑惑が)もし事実であるということが分かったら、(中略)こうしたことが起こらないような対応を考えなければならない」と述べているが、米国政府に対して具体的にどのような再発防止策を要求するのか。また、我が国として秘密漏洩防止策の強化について、その要否を含めてどのような検討を行っているのか、政府の方針と併せて示されたい。

  右質問する。