質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一六三号

安重根をたたえる記念館等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年六月十二日

和田 政宗   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   安重根をたたえる記念館等に関する質問主意書

 安重根は我が国の初代内閣総理大臣や韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺した人物であり、死刑判決を受けた人物である。当該人物をめぐっては、中国黒龍江省ハルビン市において、その記念碑を祀った記念館が開設されたことに加え、国内においても、宮城県栗原市に当該人物及びその行為を「義士」、「義挙」とたたえる記念碑があり、同市内には宮城県によって当該記念碑の案内板が設置されている。
 そこで、以下、質問する。

一 安重根及びその行為を「義士」、「義挙」とする評価について、政府は認識を共有するのか。

二 中国黒龍江省ハルビン市の安重根記念館の建設をめぐっては、政府は、平成二十六年二月四日に閣議決定した衆議院議員鈴木貴子君提出中国黒竜江省に安重根記念館が建設されたことに関する質問に対する答弁書(内閣衆質一八六第二号)四についてにおいて「大韓民国政府及び中華人民共和国政府に対し、本件をめぐる我が国の懸念を累次にわたり伝達してきた」としているが、その後現在までの間に、両国政府に対し更なる働きかけを行ったのか明らかにされたい。

三 平成二十六年三月二十八日の衆議院内閣委員会において、菅内閣官房長官は、安重根について「日本にとっては犯罪者」であるとの認識を示したが、今後、中国黒龍江省ハルビン市の記念館のように、諸外国において、日本国政府が犯罪者であると認識する人物を美化し、その行動をたたえるような記念館や記念碑が建設された場合、政府としてどのような対応を取るのか政府の方針を示されたい。

  右質問する。