質問主意書

第187回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一八七第一九号
  平成二十六年十月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員浜田和幸君提出我が国の火山噴火の予知及びその対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出我が国の火山噴火の予知及びその対策に関する質問に対する答弁書

一について

 「火山噴火予知計画の推進について」(昭和四十八年六月二十九日文部省測地学審議会建議)を受けて、有識者と関係府省庁等により構成される「火山噴火予知連絡会」において、「概ね過去一万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山とし、現在百十の火山を活火山として選定している。

二から四までについて

 内閣府においては、各火山の周辺の地域ごとに関係地方整備局、関係管区気象台その他の国の関係機関、関係地方公共団体、火山専門家等により構成される火山防災協議会等(以下「協議会等」という。)の設置並びに協議会等における火山ハザードマップの作成、噴火警戒レベルの設定及び具体的な避難計画の策定を推進するため、火山防災の専門家である火山防災エキスパートの派遣、協議会等の構成機関等が参加する火山防災協議会等連絡・連携会議の定期的な開催等を通じて、各火山の周辺の関係地方公共団体及び協議会等における火山防災体制の構築に係る取組を支援しており、火山防災対策の推進に係る経費として、平成二十六年度予算において、五千六百万円を計上している。また、同府において火山噴火を含めた自然災害への対応を担当する職員の平成二十六年度の定員は、九十三名である。
 消防庁においては、活動火山対策特別措置法(昭和四十八年法律第六十一号)第二条第一項に規定する避難施設緊急整備地域をその区域に含む地方公共団体等に対し、シェルターその他の退避壕等の活動火山対策避難施設の整備に対する補助を行っており、当該補助に係る経費を含む消防防災施設整備費補助金として、平成二十六年度予算において、十六億二千万円を計上している。これらの火山防災に係る人員を他の事項に係るものと区分して明らかにすることは困難である。
 文部科学省においては、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の推進について」(平成二十五年十一月八日科学技術・学術審議会建議)に基づき、独立行政法人防災科学技術研究所及び大学等の機関が実施する、主として活動度が高い火山に係る火山噴火メカニズム、火山噴火予測等に関する研究に対して運営費交付金等を通じて支援している。これらの火山観測研究に係る経費及び人員を他の事項に係るものと区分して明らかにすることは困難である。
 国土交通省においては、火山噴火等に起因する土砂災害の影響を砂防堰堤の整備等により防止又は軽減するため、火山噴火に起因する土砂災害の影響が大きい活火山での直轄火山砂防事業等を行っており、土砂災害対策に係る経費を計上している。さらに、同省国土地理院においては、我が国の様々な測量の基準として利用するため、電子基準点などにより、地殻の変動を監視しており、これらに係る経費を計上している。これらの火山に係る土砂災害対策及び火山監視に係る経費及び人員を他の事項に係るものと区分して明らかにすることは困難である。同省による観測及び測量により得られた分析結果は気象庁の行う火山活動の評価にも活用しているところである。
 気象庁においては、火山活動の評価を行うとともに、全国の活火山の活動状況を監視しており、噴火により重大な災害の起こるおそれのある場合は、噴火警報等を発表するなどの対応を行っており、火山の観測に係る経費として、平成二十六年度予算において、七億六百万円を計上している。また、同庁で火山に関する業務を担当する職員の平成二十六年度の定員は、百五十三名である。
 海上保安庁においては、日本周辺海域に存在する海底火山や火山島の監視・調査に係る経費として、平成二十六年度予算において、約千二百万円を計上している。また、同庁で海底火山や火山島の監視・調査に関する業務を担当する職員の平成二十六年度の定員は、六名である。同庁による調査の結果は、気象庁の行う火山活動の評価にも活用しているところである。
 このように、これまで火山に関する政府の取組は府省庁間で連携しつつ適切に行われてきており、今後も適切に取り組んでまいりたい。

五及び六について

 平成十八年二月に中央防災会議において決定された「富士山火山広域防災対策基本方針」においては、富士山で大規模な噴火が発生した場合、「溶岩流や融雪型火山泥流等による被害は、富士山を行政区域に含む山梨県、静岡県内の複数の市町村に及び、また降灰による影響は、富士山から遠く離れた神奈川県や東京都を含む首都圏にまで拡大する可能性がある」とされている。このような広範囲にわたる火山災害に対して迅速な避難を行う必要があることから、平成二十六年二月に、国の関係機関、関係地方公共団体、火山専門家等により構成される富士山火山防災対策協議会において「富士山火山広域避難計画」を策定したところである。現在、政府としては、同協議会において他の構成機関等と連携し、当該計画をより詳細なものとするための検討を行っているところである。