質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三三号

急拡大するエボラ出血熱に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十月二十日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   急拡大するエボラ出血熱に関する質問主意書

 急拡大するエボラ出血熱に関し、以下質問する。

一 本年十月十六日付け毎日新聞の記事によると、日本では感染が疑われる患者が見つかってもバイオセーフティーレベル(以下「BSL」という。)が最高レベルのBSL-四であるエボラウイルスの診断を行えるのは、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)と理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)の二施設だが、いずれも地元住民の同意が得られないなどの理由から、ウイルスを抽出したり、培養したりすることは許可されておらず、確実に感染しているとの判断や研究が難しいというが、事実か。事実であれば、抽出や培養を可能とするために早急な体制整備が必要と思われるが、政府の見解を示されたい。

二 厚生労働省はホームページ「エボラ出血熱に関するQ&A」の中で、「エボラ出血熱は、咳やくしゃみを介してヒトからヒトに感染するインフルエンザ等の疾患とは異なり、簡単にヒトからヒトに伝播する病気ではありません」と説明している。病原体の感染力が強い順に空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と大別すれば、インフルエンザは通常、飛沫感染であり、エボラ出血熱もインフルエンザ等と同様に飛沫感染するという指摘がある。
 咳やくしゃみ、あるいは嘔吐物などが飛沫となって周辺に感染する可能性はあるのか。あるとすれば、Q&Aの表現を換えるなどして注意喚起を強めた方がいいと思われるが、政府の見解を示されたい。

三 富山化学工業株式会社が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン錠(一般名ファビピラビル)」を投与されたフランス人女性看護師が治癒し退院したとフランス政府が発表した。同薬は、「大量生産できる」、「副作用への懸念が少ない」、「錠剤のため服用しやすい」などから国内外で注目を浴びており、厚生労働省は、国内で感染者が確認された際に投与を認める方針を固めたという報道があるが事実か。また現在、二万人分以上の在庫があるというが、国内外で提供要請が急増した場合、生産・供給ペースを最大限どの程度高めることが可能と試算しているか。

  右質問する。