質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五〇号

内閣参質一八六第一五〇号
  平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出原発事故避難者の住宅の確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出原発事故避難者の住宅の確保に関する質問に対する答弁書

一について

 復興庁においては、定期的に東日本大震災による全国及び都道府県別の避難者等の数を調査しており、その結果を同庁のホームページに掲載しているが、その世帯数については承知していない。

二について

 お尋ねの「復興住宅」が居住制限者(福島復興再生特別措置法(平成二十四年法律第二十五号。以下「特別措置法」という。)第二十九条第一項に規定する居住制限者をいう。以下同じ。)に賃貸又は転貸するための公営住宅(以下「復興公営住宅」という。)を指すのであれば、その整備については、福島県等において、政府が同県等に対して交付した福島再生加速化交付金を活用すること等により推進しているところであると承知している。なお、同交付金を活用して復興公営住宅を整備する場合においては、特別措置法第三十五条及び第三十六条の規定に基づき、同県等は、避難先市町村の区域内における復興公営住宅の整備その他の居住制限者の生活の拠点を形成する事業に関する計画を作成することとされているが、現時点において、公営住宅の整備を同県外で行うことを内容とした計画は作成されていないものと承知している。

三、四及び六について

 災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号。以下「救助法」という。)第二条の規定に基づく救助の程度、方法及び期間については、救助法第四条第三項の規定に基づき、災害救助法施行令(昭和二十二年政令第二百二十五号)第三条第一項において、応急救助に必要な範囲内で、内閣総理大臣が定める基準に従い、あらかじめ都道府県知事が定めることとされているところ、福島県において救助法に基づき供与される応急仮設住宅(以下「応急仮設住宅」という。)の規模及び供与期間については、同県において、災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準(平成二十五年内閣府告示第二百二十八号)に従い、福島県災害救助法施行細則(昭和三十五年福島県規則第四十九号。以下「県細則」という。)に定めているものと承知している。
 具体的には、県細則において、応急仮設住宅の規模については、限られた応急仮設住宅の建設用地に可能な限り多くの戸数を確保するとともに、早期に大量の応急仮設住宅を提供する必要等を考慮して、一戸当たり二十九・七平方メートルを基準とする旨規定されているところ、同県及び避難先の地方公共団体においては、当該基準を踏まえ、民間の賃貸住宅や公営住宅等を応急仮設住宅として供与すること等も含めて、被災者の家族構成等に応じた物件を可能な範囲で提供しているものと承知している。
 また、御指摘の基本方針(以下「基本方針」という。)における「同年四月以降については、代替的な住宅の確保等の状況を踏まえて適切に対応」については、県細則において、応急仮設住宅の供与期間について、その完成の日から建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第八十五条第三項又は第四項に規定する期限までとする旨規定されているところであるが、東日本大震災についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成二十三年政令第十九号)により適用される建築基準法による応急仮設住宅の存続期間の延長に関する特例措置として、内閣総理大臣に協議し、その同意を得た上で、一年を超えない期間ごとに応急仮設住宅の供与期間を延長することができるとされていることから、同県においては、当該特例措置を活用して、一部を除き、平成二十七年三月までとしていた応急仮設住宅の供与期間を平成二十八年三月まで延長することとしたところであり、また、御指摘の「その後の住宅の供与」については、同県等において、その時点における復興の状況等を総合的に勘案しつつ、適切に対応するものと承知している。
 また、基本方針については、被災者の状況等を総合的に勘案した上で決定したものであるが、基本方針の見直しについては、その必要性も含め、今後検討してまいりたい。

五について

 応急仮設住宅の供与については、災害により住宅が滅失等し、現に居住の安定が損なわれている被災者の一時的な居住の安定を図ることを目的とするものであり、東日本大震災の発生から約三年三か月経過した現段階において既に居住の安定が損なわれているという状況にない者に対して、新たに応急仮設住宅の供与を行うことはできないものと考えている。

七及び八について

 被災者が居住する応急仮設住宅の供与や復興公営住宅の整備を含む被災者支援については、関係府省及び地方公共団体が連携して適切に行っているところであり、その着実な推進に引き続き努力してまいりたい。