質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一〇号

内閣参質一八六第一一〇号
  平成二十六年六月六日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員川田龍平君提出STAP細胞研究におけるエアーマウス疑惑に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出STAP細胞研究におけるエアーマウス疑惑に関する質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という。)によると、御指摘の「小保方氏が当時所属していたゲノム・リプログラミング研究チーム」において、「NOD/SCIDマウスの購入実績」及び「小保方氏が責任者もしくは実験従事者として関わる動物実験計画書のうち、このマウスの利用を記載したもの」は存在しないとのことである。

二から四まで及び六について

 御指摘の「購入物品一覧」に記載されたマウスの購入に係る予算については、理研によると、研究課題名は「卵子による核の初期化機構の解明およびその促進方法の開発」、研究代表者は「若山照彦」とのことである。
 その他のお尋ねについては、理研において事実関係を確認しているところであると承知している。

五について

 理研によると、理研が定めた「動物実験実施規程」においては、「所属長、飼育管理者は、実験動物の飼育等管理にあたり、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」(環境省告示第八十八号)の趣旨に配慮する。」とされているとのことである。また、御指摘の「動物福祉上の問題」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「馴化期間をおかない実験の科学的妥当性」については、個別の実験に応じて判断されるべきものと考えられ、一概にお答えすることは困難である。

七について

 理研によると、理研が設置した研究論文の疑義に関する調査委員会(以下「調査委員会」という。)は、調査対象論文において疑義を指摘された点に関して、理研が定める「科学研究上の不正行為の防止等に関する規程」に規定する研究不正が認められるか否かという観点から調査を実施したものであり、その結果をもって、御指摘の「事実」が正しいか否かを判断したものではないとのことである。

八について

 理研によると、調査委員会は、調査対象論文において疑義を指摘された点に関して調査を実施したものであり、「実験結果に関する記述については疑義のないものと認めたため調査対象としなかった」ものではないとのことである。

九について

 御指摘の報道については承知しているが、その報道内容の事実関係について確認されておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十について

 御指摘の「情報」については承知していないが、いずれにせよ、「特定国立研究開発法人(仮称)」の指定を六月又は七月に閣議決定すると決めたとの事実はない。

十一について

 「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」(平成十八年八月八日科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会決定。以下「ガイドライン」という。)では、研究活動における不正行為の告発等があった場合は、原則として、当該研究者が所属する研究機関が当該事案の調査を行うこととされている。お尋ねについては、文部科学省としては、理研においてガイドライン等を踏まえ適切に対応されているものと認識しており、「専門家の検討会を設置し、理研に対して必要な再調査を求める」ことは考えていない。