質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第七六号

内閣参質一八六第七六号
  平成二十六年四月二十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員浜田和幸君提出民間人材等の特命全権大使等への任用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出民間人材等の特命全権大使等への任用に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十六年四月二十一日現在、特命全権大使、特命全権公使及び総領事(以下「特命全権大使等」という。)のうち、外務省以外の府省庁又は民間企業等の法人(以下「外務省以外の組織」という。)の出身の者は、二十一名である。また、過去五年間に特命全権大使等に任命された者(同日現在もその職にある者を除く。以下同じ。)のうち、外務省以外の組織の出身の者は十二名である。これら三十三名の者の出身府省庁又は出身法人の業種等は、人事院、内閣府、警察庁、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省並びに独立行政法人、商社、銀行及び証券会社である。

二について

 外務省以外の組織の人材を特命全権大使等に任命する場合には、以下の共通の基準をおおむね満たしている者の中から、適材適所の考えに基づき任命している。
① 外交についての高い見識を有する者
② 長期間の海外出張又は海外生活に耐え得る健康状態にある者
③ 在外公館において業務を遂行する上で必要な外国語能力を有する者
④ 留学又は勤務のため一定期間海外に在住していた経験を有する者
⑤ 特命全権大使及び特命全権公使の場合は、就任時点で原則として六十三歳以下の者
⑥ 就任に当たり、一切の営利企業その他報酬を得ている団体の役職を辞することができる者

三について

 過去に任命された全ての特命全権大使等についてお答えすることは、調査に膨大な作業を要することから困難であるが、過去五年間に特命全権大使等に任命された者の平均在職期間は、約二年六か月である。また、過去五年間に特命全権大使等に任命された者のうち、外務省以外の組織の出身の者の平均在職期間は、約三年二か月である。

四について

 特命全権大使等の活動が赴任国においてどのように受け止められているかについては、在外公館からの各種報告、外交上のやり取り、赴任国で活動する日本企業との意見交換等により把握に努めている。

五について

 外交関係を処理することは、憲法上、内閣の事務とされており、特命全権大使及び特命全権公使の任免は、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)第八条第一項の規定に基づき、外務大臣の申出により内閣が行うとされているところである。特命全権大使等の任命は、二国間関係や国際情勢の推移に応じて機動的に行う必要があること等から、国会がその任命手続に関与することについては、慎重に検討されるべきものと考える。