質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一四七号

集団的自衛権と憲法との関係の昭和四十七年の政府見解に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月十八日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   集団的自衛権と憲法との関係の昭和四十七年の政府見解に関する質問主意書

 現在、自由民主党、公明党は、集団的自衛権行使の憲法解釈見直しを巡る与党協議を進めており、その協議の中で、政府が昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会(以下「本委員会」という。)に提出した集団的自衛権と憲法との関係に関する政府見解(以下「本見解」という。)を基に議論が進められている。本見解は現在に至るまでの政府の集団的自衛権の行使に制約を与えるもので、その取扱いについては慎重を期すべきである。
 このような観点から、以下質問する。

一 本見解が国会に提出された日付に当たる昭和四十七年十月十四日には本委員会は開会されておらず、何らかの資料として本委員会に提出されたものと思われる。本見解の提出後、直近に開催された本委員会は同年十一月七日であるが、本見解に関する議事は行われていない。政府が本見解を国会に提出した際の経緯を具体的に示されたい。

二 本見解の提出された当時の状況を鑑みれば、ベトナム戦争における北爆再開、本見解提出の前月の同年九月に合意された日中国交正常化などの国際政治情勢とは無関係ではないと思われる。そうした点から本見解でいう集団的自衛権の行使は、当時の野党などから国会で指摘されていたように海外に自衛隊の地上部隊を派遣することを指すものと思われるが、政府の見解を示されたい。

三 本見解でいう「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」とは、現在から四十年以上前の安全保障環境を前提とし、当時の米ソ冷戦下の国際政治情勢を勘案すれば、具体的にはソ連軍の北海道への侵攻などを指すと思われるが、政府の見解を示されたい。

四 本見解のような政府見解は、政府がそれを明示的に否定しない限り、政府の意思決定を拘束し続けるが、冷戦構造の存在していた四十年以上も過去の安全保障環境と現代の安全保障環境とは全く異なる状況下にあると思われる。本見解は現代の安全保障環境を踏まえて修正すべきだと思われるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。