質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第七一号

内閣参質一八三第七一号
  平成二十五年四月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員藤末健三君提出我が国のサイバーセキュリティ政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出我が国のサイバーセキュリティ政策に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「同様の攻撃」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府においては、サイバー攻撃に対し迅速かつ的確に対処するため、金融、情報通信、鉄道、航空、水道、電力等の重要インフラについて、サイバー攻撃やサイバー攻撃による被害等を認知した場合は、認知したサイバー攻撃の規模等に応じ、「緊急事態に対する政府の初動対処体制について」(平成十五年十一月二十一日閣議決定。以下「閣議決定」という。)、「大規模サイバー攻撃事態等への初動対処について」(平成二十二年三月十九日内閣危機管理監決裁。以下「内閣危機管理監決裁」という。)等に基づき、政府一体となった初動対処体制を採るなど、必要な措置を採ることとしている。
 また、重要インフラ分野における情報セキュリティ対策については、「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第二次行動計画」(平成二十一年二月三日情報セキュリティ政策会議決定)に基づき、安全基準等の整備及び浸透、情報共有体制の強化、分野横断的演習等の施策を推進しているところであり、引き続きこれらの施策を推進することにより、重要インフラ分野における情報セキュリティの向上に努めてまいりたい。

二、三及び五について

 政府においては、官民における統一的・横断的な情報セキュリティ対策の推進を図るため、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部令(平成十二年政令第五百五十五号)第四条の規定に基づく「情報セキュリティ政策会議の設置について」(平成十七年五月三十日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長決定)により、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部に内閣官房長官を議長とする情報セキュリティ政策会議を、また、情報セキュリティ政策に係る基本戦略の立案その他官民における統一的・横断的な情報セキュリティ対策の推進に係る企画及び立案並びに総合調整を行うため、内閣官房組織令(昭和三十二年政令第二百十九号)第十二条に基づく「情報セキュリティセンターの設置に関する規則」(平成十二年二月二十九日内閣総理大臣決定)により、内閣官房に内閣官房副長官補をセンター長とする情報セキュリティセンターを、それぞれ設置し、これらの体制の下、政府機関や重要インフラ事業者の情報セキュリティ水準の向上、サイバー攻撃への対処能力の強化等を適時適切に推進しているところであり、引き続き必要な体制の整備及び予算の確保に努めてまいりたい。

四について

 政府においては、サイバー攻撃に対し迅速かつ的確に対処するため、閣議決定、内閣危機管理監決裁等に基づき、各府省庁が業務において得たサイバー攻撃に係る情報を内閣官房に集約し、適時適切な情報の共有を図るとともに、認知したサイバー攻撃の規模等に応じ、政府一体となった初動対処体制を採るなど、必要な措置を採ることとしている。
 また、政府としては、情報セキュリティの確保は、国家の安全保障や国民の社会経済活動等にとって重要な課題であると認識しており、刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部改正による不正指令電磁的記録に関する罪の新設など、これまでも必要な法整備等に努めてきたところであるが、引き続き必要な対策を進めてまいりたい。

六について

 政府としては、サイバー攻撃に対し迅速かつ的確に対処するためには、諸外国等との効果的な連携が不可欠であると認識しており、御指摘の米国との間でサイバー分野における日米両政府間の包括的対話を立ち上げることとするなどの二国間での取組や国際会議への参画等を通じた国際的な連携を、関係府省庁が協力して政府全体として進めているほか、必要に応じ、具体的な事態についても関係各国等との間で情報交換を行っている。

七について

 政府としては、サイバー攻撃に対し迅速かつ的確に対処するためには、日米安保体制を基軸とした同盟関係にある米国との協力は極めて重要であると認識しており、これまでも政策協議や情報共有、共同訓練の実施等を通じた協力を進めてきたところである。また、六についてで述べたとおり、御指摘の米国との間でサイバー分野における日米両政府間の包括的対話を立ち上げることとしており、こうした取組も通じて、日米の連携を一層進めてまいりたい。