質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九四号

内閣参質一八〇第一九四号
  平成二十四年七月二十七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員浜田昌良君提出東京電力福島第一原子力発電所事故の未解明問題のフォローアップに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出東京電力福島第一原子力発電所事故の未解明問題のフォローアップに関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所の第一号機から第三号機までの各号機における格納容器内の詳細な状況を確認できないことから、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難である。引き続き、同発電所の安全の維持に万全を期しつつ、格納容器内の状況把握に努めてまいりたい。

五について

 一から四までについてで述べたとおり、格納容器内の詳細な状況を確認できないことから、現時点でお尋ねについて確定的にお答えすることは困難であるが、経済産業省原子力安全・保安院が平成二十四年三月二十八日に取りまとめた「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の技術的知見について」において、原子炉建屋の爆発の発生状況等を踏まえると、格納容器の貫通部等に使用されている有機シール材が圧力容器からの熱輻射等により劣化して水素の漏えいが生じた可能性が高いと推定され、その対策として、格納容器の除熱機能の多様化や水素再結合装置等による原子炉建屋側に漏えいした水素の濃度管理等が必要であるとしている。今後は、新たに設置される原子力規制委員会において、適切な規制を検討し、実施していくこととしている。

六について

 御指摘の「使用済み燃料の損傷とそれに伴う影響が懸念されていたと後日報じられている」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、東京電力の福島第一原子力発電所の第四号機においては、事故が発生した当時、定期検査に伴い全ての燃料は圧力容器内から使用済燃料プールへ移されて崩壊熱が高い状態にあり、全交流電源喪失により冷却されない状態が一時的に生じたが、仮にその状態が続いた場合には、燃料が使用済燃料プールの水面から露出して損傷し、放射性物質が環境中に放出される可能性も考えられたことから、外部からの注水による使用済燃料プールの水位の確保に努めた。なお、東京電力によれば、平成二十四年三月二十一日までに使用済燃料プール内を複数回にわたり水中カメラで調査したが、燃料の損傷等は確認されていないとのことである。