質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二五一号

高等学校卒業程度認定試験合格者に対する各種国家資格の選任要件等の扱いに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年九月五日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   高等学校卒業程度認定試験合格者に対する各種国家資格の選任要件等の扱いに関する質問主意書

 高等学校卒業程度認定試験(以下「高卒認定試験」という。)は、高等学校卒業者と同等以上の学力があることを文部科学省が認定する試験で、年間約三万人が受験している。合格すると、全ての大学、短大、専門学校の他、様々な国家資格試験などの受験が可能になる。毎年約一万人が合格しており、多くの若者が将来の夢や希望に向かって再チャレンジの新たな一歩を踏み出している。
 平成十六年八月六日の中央教育審議会による「大学入学資格検定の見直しについて」(答申)では、高卒認定試験の基本的な考え方として、「高等学校卒業程度の学力を認定する試験としての性格をより明確にし、その合格者が各種職業資格や採用試験の受験資格、採用後の処遇においてより広く高等学校卒業者と同様に扱われるようにする必要がある」と記述されており、社会的通用性を高めることを求めている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 労働安全衛生法では、工事現場における労働災害を防止するため、現場の規模、事業内容及びそれぞれの事業場の規模等に応じて、安全衛生管理を担当する者の選任を義務づけている。このうち、安全衛生推進者の選任要件について、「安全衛生推進者等の選任に関する基準」(昭和六十三年労働省告示第八十号)第二号に「学校教育法による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校を含む。)又は中等教育学校を卒業した者で、その後三年以上安全衛生の実務に従事した経験を有するもの」と規定されている。また、店社安全衛生管理者の選任要件については、労働安全衛生規則第十八条の七第二号に「学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、その後五年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有するもの」と規定されている。
 安全衛生推進者及び店社安全衛生管理者の選任要件である「高等学校又は中等教育学校を卒業した者」に、高卒認定試験合格者が該当することを明示した告示・通達等があるのかどうか示されたい。該当する告示・通達等がなければ、安全衛生推進者及び店社安全衛生管理者の選任要件に高卒認定試験合格者を高等学校卒業者と同等に扱うことにするよう早期に明示し、周知すべきであると考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

二 各種国家資格の選任要件等として、高等学校を卒業した者とされている国家資格の数を府省別に明らかにされたい。

三 前記二のうち、高卒認定試験合格者を高等学校卒業者と同等に扱っている国家資格の名称を明らかにされたい。また、そのうち、高等学校を卒業した者に高卒認定試験合格者が該当することを明示した告示・通達等がない国家資格の数を府省別に示されたい。告示・通達で明示するように見直すべきであると考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

四 前記二のうち、高卒認定試験合格者を高等学校を卒業した者と同等に扱っていない国家資格の名称を府省別に明らかにされたい。併せて、同等に扱っていない理由、根拠を示されたい。

五 高卒認定試験は、大学入学資格の付与だけでなく、就職や資格試験等においては高卒認定試験合格者が高等学校卒業者と同等に扱われることを意図して実施されている制度である。その一方で、平成十九年五月十一日に文部科学省が発表した高卒認定試験合格者の進路状況調査の結果によれば、「高卒認定は高等学校卒業と同等以上の学力を認定するものであることをもっと知られるようにすべき」との意見が八割に上っている。
 これらのことを踏まえ、高卒認定試験合格による再チャレンジの多くの若者を支援するために、政府は、各種国家資格の選任要件等において、高卒認定試験合格者を高等学校卒業者と同等に扱うことを基本原則として徹底すべきであり、周知・広報を更に図っていくべきであると考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。