質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一九四号

東京電力福島第一原子力発電所事故の未解明問題のフォローアップに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年七月十八日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   東京電力福島第一原子力発電所事故の未解明問題のフォローアップに関する質問主意書

 七月五日、国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会から報告書が両議院の議長に提出された。報告書には七項目の提言が盛り込まれているが、特に、一番目の提言に、「規制当局に対する国会の監視」が挙げられており、継続的監視が必要な事項として十六項目が明記されている。国会として、その方向に沿った職責を果たしていくことが求められるが、特に、その一つとして、第三者調査機関による「福島第一原子力発電所事故の未解明問題のフォローアップ」が挙げられ、「早急に検証すべき事項」として例示されている六項目については、第三者調査機関の設置を待たずとも、政府が把握している現状の知見について、周辺住民のみならず、国民及び国際社会への説明が求められるべきものである。
 そこで、当該六項目について、政府の見解を質問する。

一 溶融物による侵食が、原子炉建屋の人工岩盤の深くにまでさらに進行した場合、既発生の状況を劇的に上回る規模で、放射性物質が外部環境に放出される可能性はあるのか。侵食が人工岩盤を貫通した場合にはどうか。

二 原子炉圧力容器を直接支持している鋼製のスカートについては、今般の原子炉事故の進展によってどの程度劣化しているものと推定されるのか。高温のため座屈した可能性などはあるのか。

三 原子炉圧力容器を支えるコンクリート部材は、どの程度劣化しているものと推定されるのか。現在は問題なくても将来はどうなのか。

四 ペデスタルのコンクリートはどの程度劣化しているのか。コンクリートが崩れて、鉄筋が座屈してしまうことはないのか。原子炉圧力容器・生体遮へい間のスタビライザの支持能力は低下していないのか。生体遮へい・格納容器間のスタビライザの支持能力は低下していないのか。

五 水素爆発の原因について、「第四の壁」である格納容器から、「第五の壁」である原子炉建屋への水素の漏えい経路がどこであったのか。このような漏えいが今後起きないための対策は何か。

六 福島第一原子力発電所四号機においては、使用済み燃料プールに貯蔵されていた使用済み燃料の損傷とそれに伴う影響が懸念されていたと後日報じられている。それは、具体的にはどのような懸念についてであったのか。

  右質問する。