質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七〇号

中国の民主活動家劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十一月一日

松田 公太   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   中国の民主活動家劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に関する質問主意書

 二〇一〇年十月八日、ノルウェー・ノーベル賞委員会が、中国の民主活動家、反体制作家の劉暁波氏へのノーベル平和賞授与を決めた。これは中国在住の中国人として初のノーベル賞受賞者となる。ノーベル賞委員会は、劉暁波氏の受賞理由を「中国における基本的人権のために長年、非暴力的な闘いをしてきた」こととしている。
 しかし、現在、劉暁波氏は共産党一党独裁廃止を訴えて有罪判決を受け、服役中である。劉暁波氏の罪名は、「国家政権転覆煽動罪」である。二〇〇九年十二月二十五日、北京市中級人民法院(裁判所)は、反体制作家の劉暁波氏が共産党独裁を批判し、三権分立を求めた「〇八憲章」を起草したことについて「国家政権転覆煽動罪」の適用対象に相当するとして、同氏に対し懲役十一年、政治権利剥奪二年の判決を言い渡した。言論の活動だけで懲役十一年の判決を受けたのである。
 中国政府は、今回のノーベル平和賞授与に強く反発し、強硬姿勢を一段と強めている。劉暁波氏の妻・劉霞氏は、二〇一〇年十月十日、服役中の夫との面会を果たしたが、その後、劉霞氏は軟禁状態に置かれ、メディアとの接触を禁じられている。
 米国のカーター元大統領をはじめとする歴代のノーベル平和賞受賞者十五人は、人権団体の「フリーダムナウ」を通じて公開した書簡の中で、「ソウルで開催されるG二〇首脳会議で、米国のオバマ大統領をはじめとする各国首脳が中国の胡錦濤国家主席に対して、劉暁波氏釈放に向け圧力を加えるよう、強く求める」と表明している。
 こうした現状から、菅内閣における、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞についての考え方、中国への対応について明らかにするため、以下のとおり質問する。

一 中国政府による劉暁波氏の投獄について、日本政府はどのように考えているか。また、この件に関し、日本政府はどのようなメッセージを今後、中国及び国際社会に向けて発信しようとしているのか、見解を示されたい。

二 劉暁波氏へのノーベル平和賞授与について、日本政府はどのように考え、どのように評価しているか、見解を示されたい。

三 劉暁波氏へのノーベル平和賞授与に伴う、劉暁波氏及び同氏の妻・劉霞氏の授賞式出席について、日本政府はどのように考え、中国に対しどのような要望もしくはメッセージを発信しようと考えているか、見解を示されたい。

  右質問する。