質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六三号

介護保険制度を利用した高齢者のボランティア活動支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月二十六日

横山 信一   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   介護保険制度を利用した高齢者のボランティア活動支援に関する質問主意書

 介護保険制度を守り支えていくためには、元気な高齢者が増えることが重要であり、高齢者がやりがいを持って介護予防に励めるような新たな支援システムを導入する必要がある。このため、公明党は、本年二月に新介護公明ビジョンを発表し、元気な高齢者の介護保険料の負担軽減システムの導入など超高齢社会において介護保険制度を維持させるために必要な十二項目の提案を行っている。
 一方、東京都稲城市は、平成十九年度から、高齢者の介護支援ボランティア活動に対し、その実績を評価した上で評価ポイントを付与する事業を実施しており、高齢者の地域貢献と健康維持を図る取組として、全国の自治体から注目を集めている。これに対し、厚生労働省も、稲城市が高齢者のボランティア活動を介護保険で評価するための構造改革特区要望を提出したことを契機として、介護保険制度における地域支援事業の実施要綱を改正し、地域支援事業交付金の活用による介護支援ボランティア活動への支援を行っている。
 そこで、介護保険制度を利用した高齢者のボランティア活動支援について、以下質問する。

一 稲城市の高齢者によるボランティア活動の実績をポイントとして評価する制度は、導入されて四年目を迎えている。こうした制度を導入した自治体における利用者の反応は良好と承知しているが、その普及の現状について、政府の把握しているところを明らかにされたい。また、政府はこうした先行事例をとりまとめ、パンフレットやインターネットで紹介する等その普及を図る必要があるが、普及のための今後の取組策を示されたい。

二 東京都足立区に住む百十一歳男性が白骨化した状態で発見されたことに端を発した所在不明高齢者問題は、その対策のために自治体に大きな負担を強いている。このような現状のもとで、高齢者のボランティア活動支援は、高齢者の孤立防止や所在把握にも有効と言われている。平成二十三年度にも予定される介護保険制度見直しにおいて、高齢者の見守り・生きがい推進サービスを含めた総合的な生活支援サービスの一環として、高齢者のボランティア活動支援を位置付ける必要があるのではないか。

三 公明党の発表した新介護公明ビジョンにおいては、三年間介護保険を利用せず、元気に暮らした六十五歳以上の高齢者本人について、「お元気ポイント」のような介護保険料やサービス利用料の負担を軽減するポイントシステムの導入や介護ボランティアに参加した高齢者に対する更なる負担軽減策の導入を提案している。高齢者の健康保持、介護予防へのインセンティブを高め、介護保険の負担に対する理解を得るためにも、このようなシステムの導入について検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。