質問主意書

第175回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二三号

内閣参質一七五第二三号
  平成二十二年八月二十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員桜内文城君提出現役出向と天下りに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員桜内文城君提出現役出向と天下りに関する質問に対する答弁書

一について

 国と民間企業との間の人事交流に関する法律(平成十一年法律第二百二十四号。以下「官民人事交流法」という。)に基づき、職員を民間企業へ交流派遣する場合、官民人事交流法第七条第二項の規定により、各省各庁の長等は、あらかじめ職員の同意を得なければならないこととされており、当該職員の同意を得ることができなかった場合は、交流派遣を実施することができない。

二について

 官民人事交流法には、職員の同意を得ることができずに交流派遣をすることができなかった場合に関する規定は置かれていない。

三及び四について

 御指摘の報道については承知しているが、個別の人事に関する検討の過程にかかわることについてお答えすることは差し控えたい。

五から七までについて

 天下りについては、衆議院議員山内康一君提出政府の「天下り」及び「わたり」の定義に関する質問に対する答弁書(平成二十一年十一月十七日内閣衆質一七三第五七号)一についてでお答えしたとおりである。御指摘の「現役での民間企業への出向」のケースを含め、今回、「退職管理基本方針」(平成二十二年六月二十二日閣議決定)に基づき拡大を図った人事交流は、「官を開く」との基本認識の下、中高年期の職員が公務部門で培ってきた専門的な知識・経験を民間等の他分野で活用するとともに、他分野での勤務を経験することにより公務員のコスト意識・現場感覚を高めることを目的として、大臣の任命権の下で実施するものである。これらの人事交流は、職員の国への復帰を前提としており、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させる天下りには該当せず、また、その実施のための情報提供等の行為も、天下りのあっせんには該当しない。
 なお、これらの人事交流については、これまでも、職員の国への復帰を前提として実施されてきたところである。また、独立行政法人等への現役出向については、独立行政法人等における在職期間を退職手当算定の際の在職期間として通算し、独立行政法人等の役職員となるため国を退職する際及び国に復帰するため独立行政法人等を退職する際には退職手当は支給しないこととなっている。

八について

 官民人事交流法においては、第六条で人事院による民間企業の公募、第七条で①各省各庁の長等による実施計画の人事院への提出、②職員の同意、③人事院による実施計画の認定、④人事院総裁と派遣先企業との間の取決めの締結、第八条で交流派遣の期間、第九条で交流派遣職員と派遣先企業との間での勤務条件等を含む労働契約の締結、第十二条で職員の服務等が規定されており、交流派遣は、このような法律の規定、人事院規則二一―〇(国と民間企業との間の人事交流)等に基づき実施されている。