質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第四四号

鉄道事業者の視覚障害者対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年三月十五日

神取 忍   


       参議院議長 江田 五月 殿



   鉄道事業者の視覚障害者対応に関する質問主意書

 平成十八年六月に成立した「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」により、各地でバリアフリー化が徐々に進められつつある一方、駅プラットホームにおける視覚障害者の転落事故は後を絶たない。
 民間会社が行った視覚障害者への調査においては、一人歩きする視覚障害者の半数、特に全盲者では三人に二人がホームからの転落を経験しており、また一人が何回も転落しているという結果がある。さらに、視覚障害者が最も危険を感じるのは、ホーム利用時であるというアンケート結果も出ており、非常に危険な事故と隣り合わせであるプラットホーム上のバリアフリー化は、最も優先度の高い課題であると考える。よって、旅客運送を行う鉄道事業者における視覚障害者への対応に関し、以下質問する。

一 視覚障害者のプラットホームからの転落事故を防止するための最大の安全対策は「ホームドア」の設置であり、全ての鉄道事業者が全駅におけるホームドアの設置を目指すべきだと考えるが、特に利用客の多い駅におけるホームドアの整備について、政府の見解を示されたい。

二 視覚障害者の鉄道利用に際し、到着する列車について「快速」、「特急」、「普通」などの種別に対する音声案内がなければ、視覚障害者が正確な列車を識別できない状況が多発する危険性がある。そこで、旅客運送を行う鉄道事業者の列車種別に関する音声案内の現状及びその実施率について、政府において把握しているところを示されたい。

  右質問する。