質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四八号

預金の消滅時効と預金者の保護に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月十九日

松下 新平   


       参議院議長 江田 五月 殿



   預金の消滅時効と預金者の保護に関する質問主意書

 相続により預金の権利を取得した場合などには、権利者自身がその存在を知らないなどの事情で、結果的に長期間放置されてしまうケースもある。こうしたケースに関しても、円滑な預金の引き出しを可能とするなど、預金者保護の観点から、金融機関に対し適切な対応を求める必要があると考える。そこで、以下のとおり質問する。

一 金融機関に預け入れた預金について、その消滅時効は何年か。

二 金融機関において、時効期間が経過した場合の実務上の取扱いはどうなっているのか。実際に、長期間経過後に預金者が預金の引き出しを求めた場合に、消滅時効が援用されたり、あるいは他の事情などにより、預金の引き出し等ができなくなるケースとしては、どのようなケースがあるのか。その取扱いが金融機関によって、異なっているということはないか。政府の承知しているところを示されたい。

三 政府として、金融検査マニュアル等において、消滅時効成立後の預金あるいは長期間経過した預金の取扱い等について、金融機関に対し、何らかの指導を行っているか。

四 預金取扱金融機関の公共性を考えたとき、金融機関の側からの時効の援用を認めるのは、預金者保護の観点からは、適切ではないと考えられる。金融機関に対しては、時効の援用を認めないこととする必要があるのではないか。あるいは、少なくとも商事債権の消滅時効の五年間が援用される銀行に関しても、信用金庫・信用組合と同様の一般の民事債権の消滅時効期間十年間は、時効の援用を認めるべきではないと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 預金者保護の観点からは、消滅時効成立後であっても、預金者からの預金の引き出し等の求めがあった場合には、金融機関が適切にこれに応ずるとともに、金融機関によって対応が異なることのないよう、政府において、その実態を把握した上で、金融機関に対し、厳格な指導を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。