質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第五五号

内閣参質一七一第五五号
  平成二十一年三月三日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員峰崎直樹君提出持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」と所得税法等の一部を改正する法律案附則第百四条に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員峰崎直樹君提出持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」と所得税法等の一部を改正する法律案附則第百四条に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」」(平成二十年十二月二十四日閣議決定。以下「中期プログラム」という。)の該当部分と平成二十一年一月二十三日に第百七十一回国会に提出した所得税法等の一部を改正する法律案(以下「所得税法等一部改正法案」という。)附則第百四条との差異は別添のとおりであり、当該差異は、中期プログラムの趣旨をより明確にしつつ、法制上の理由により技術的な変更を加えたことによるものである。

三について

 所得税法等一部改正法案附則第百四条第一項に規定する「年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用」とは、年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策のために要する公費負担の費用である。その費用の見通しについては、今後の社会保障に係る改革の動向等も踏まえつつ、関係する府省が連携しながら、消費税を含む税制の抜本的な改革に係る必要な法制上の措置を講ずるまでに、お示しすることになるものと考えており、その費用の程度について、現時点でお示しすることは困難である。

四について

 所得税法等一部改正法案附則第百四条第一項に規定する「平成二十年度を含む三年以内」とは、平成二十二年度までの期間を指すものである。また、「経済状況の好転」については、種々の経済指標を考慮した上で、総合的に判断していくこととなるものと考えている。
 なお、御指摘の資料は、平成二十一年一月十六日に内閣府が経済財政諮問会議に審議の参考として提出したものであり、経済及び財政に関する様々な想定の下に行った複数の試算が示されているが、政府としては、経済状況の好転に関する具体的な判断の基準として当該試算を念頭に置いているわけではない。

五について

 お尋ねの「遅滞なく、かつ、段階的に」という文言は、中期プログラムの趣旨をより明確にするために挿入したものである。

六について

 所得税法等一部改正法案附則第百四条第一項の規定により平成二十三年度中に法制上の措置を講じ、同年度中に当該措置を施行するということもあり得るものと考えている。

七について

 「経済財政の中長期方針と十年展望」(平成二十一年一月十九日閣議決定)においては、「国・地方の債務残高対GDP比の発散を止め、安定的に引き下げることを確保することは、財政の持続可能性を確保する上で極めて重要な規準である。団塊世代がすべて年金受給者となる二〇一〇年代半ばまでにこれを達成するとの目標に向けて、適切な経済財政運営を行っていく。」としているところであり、お尋ねの「持続可能な財政構造を確立」は、こうした規準が達成されるような状況を指すものである。

八について

 所得税法等一部改正法案附則第百四条第一項においては、「平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする」とされていることから、当該措置を講じなかった場合には、この規定に違反したことになると考えている。

九について

 経済状況の好転が消費税を含む税制の抜本的な改革を行うための前提であることから、その見通しが立たないような場合には消費税を含む税制の抜本的な改革の具体的な内容を定める法案について、その施行期日等を別の法律で定めることもあるものと考えている。

別添

別添 1/3

別添 2/3

別添 3/3