質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第八六号

定額給付金に係る事務費に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年三月十八日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   定額給付金に係る事務費に関する質問主意書

 本年三月四日に二兆円の定額給付金に関する法律が成立した。定額給付金事務費は、都道府県分(六千八百三十万九千円)及び市町村分(八百十九億九百四十万七千円)については、定額給付金給付事務費補助金の予算計上となり、国関係経費は五億三千五百五万八千円と総額八百二十五億円にもなっている。
 しかしながら、補助金の予算積算は、定額給付金給付事務費補助金の予算計上に当たり、補助金の総額を決めるための積算の内容を説明するものであり、地方自治体への補助金の積算は予算の使用方法を縛るものではないが、その予算の積算の内容はコストの削減を全く配慮したものになっていない。
 例えば、市町村の申請書類などの発送料は二百七十一億円であるが、その積算は、都道府県への交付申請書類発送(二種、三回、単価二百円)、五千五百十八万世帯の世帯主等への申請書類発送(簡易書留単価三百八十円、普通郵便単価八十円)、申請書等返送分単価八十円、振込予定通知単価五十円等となっており、すべて正規料金となっている。郵便料金については、同じ郵便番号にまとめたり、バーコードを付したり、郵送数が増えるなどの条件で割引がある。それを全く想定していない。また、定額給付金の世帯主等の口座への銀行振込料は百五十九億円となっており、積算は公表されていないが、五千五百万世帯に振り込むことから推定すると一世帯当たり三百円の振込手数料となり、つまり、振込手数料もほぼ正規料金である。
 情報システムの専門家に確認したところ「振込先の情報を電子データで金融機関に渡せばデータの入力の手間もかからずほとんど作業はいらないため、銀行は通常の作業に比べ相当コストがかからなくなるはず」とのことであった。また、本年三月三日の財政金融委員会における振込料金の値引きに関する答弁において政府(総務省)は「銀行協会などとの値段交渉は独占禁止法違反だからできない」との回答であったが、公正取引委員会は「個別の銀行毎に値引き交渉をすれば問題ない」との回答であった。本補助金は、一〇〇%全額の政府補助金であり、つまり全額が私たちの国税から支払われこととなる。したがって、地方自治体は使った分はすべて国が支払うためコストを削減するインセンティブがわかない可能性がある。これらを踏まえて以下質問する。

一 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年八月二十七日法律第百七十九号)の第三条には、「各省各庁の長は、その所掌の補助金等に係る予算の執行に当つては、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が法令及び予算で定めるところに従って公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない」とある。本規定に従い、総務大臣は本補助金の効率的な使用に努めなければならないが、どのように効率的な使用を行うか具体的に明示されたい。

二 政府は地方自治体に対して、発送料の削減や振込手数料の削減のガイドラインを示すべきであり、また、補助金の精算の徹底を行うべきだと考えるが政府の見解を示されたい。

  右質問する。