質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第二七号

大相撲力士等の不祥事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月四日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   大相撲力士等の不祥事に関する質問主意書

 昨今角界では、時津風部屋力士暴行死事件や、大麻事件による若ノ鵬、露鵬、白露山の解雇、さらに本年二月一日若麒麟が大麻取締法違反(共同所持)容疑で送検されるなど重大な不祥事が相次いでいる。大相撲の本場所では、優勝力士に総理大臣杯が授与され、また中日友好景泰藍杯、チェコ共和国友好杯、メキシコ合衆国友好杯、アラブ首長国連邦友好杯、ハンガリー共和国友好杯など友好国からも賞品が贈呈されている。社会通念上、「国技」とされている大相撲の綱紀粛正と建て直しが不可欠と考える。よって以下質問する。

一 一連の不祥事に鑑み、日本相撲協会に反省を促すためにも、政府は総理大臣杯授与を一時中断する考えはないか、見解を明らかにされたい。

二 政府は友好杯や賞品を贈呈している友好国に対して、一連の不祥事をどう説明しているのか、具体的に明らかにされたい。

三 同協会によると、大相撲は「国家公認の国技」ではなく、「その国特有の競技」という意味の「国技」だという。つまり、「代表的な国民的スポーツ」ということだ。同協会は、そのような「国技」という呼び方の経緯を承知しながら、国民や相撲ファンが「国家公認の国技」と誤解したり思い込んだりしているのを敢えて否定しないどころか、そのような社会通念の上に長年、あぐらをかいてきたのではないか。この点に関しては、これまで「国技」報道をしてきた新聞、テレビなどマスメディアにも責任の一端があると思われるが、文科省を通じて行政上、同協会に関与してきた政府にも責任があると考えられる。この点について、見解を理由とともに明らかにされたい。

四 政府は、大相撲が「国技」であるという言い方の真の意味をこの際、明確にし、国民の誤解を解くべきではないか。見解を問う。

五 同協会の元幹部らの影響で、現役幹部や一部力士は、相撲を「相撲道」と意識的に呼んでいる。ずっと以前にはなかった呼び方だ。
 「柔道」や「合気道」などと並べて、修行の「道」であることを強調したいのだろうが、このような呼び方を元幹部らが編み出した背景には、「国技」意識があると考えられる。「相撲道」という呼び方は社会的に認知されているとは言い難いが、この呼び方についての見解を明らかにされたい。

六 不祥事が今後も止まらない場合、政府は本場所優勝力士への天皇杯および総理大臣杯の授与、財団法人としての同協会に対する税法上の優遇措置などを停止する必要があるのではないか。理由とともに見解を問う。

  右質問する。