質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一三八号

カーボン・ナノチューブへの安全対策や予防策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年六月三日

近藤 正道   


       参議院議長 江田 五月 殿



   カーボン・ナノチューブへの安全対策や予防策に関する質問主意書

 二〇〇八年三月七日、毎日新聞は「電気製品などへの応用が期待される筒状の炭素ナノ材料・カーボン・ナノチューブを投与したマウスに中皮腫ができたことを、国立医薬品食品衛生研究所などが確認した。厚生労働省はナノ材料の安全対策や製造現場での予防策について報告書をまとめる方針。」という記事を報じた。
 また同年五月二十一日、アイティーメディア・ニュースは「英・米の研究者らが五月二十日、ナノ素材として期待がかかるカーボン・ナノチューブだが、ある種のチューブを吸引した場合、アスベストと同様に作用し、悪性中皮腫を引き起こす可能性があると発表した。」と報じた。
 加えて、英国BBCは現地日付五月二十日、「アスベスト警報がナノチューブに」という見出しで、「成長著しいナノ・テクノロジー産業の象徴である、カーボン・ナノチューブがアスベストと同様の病気を引き起こす可能性があることを、研究が指摘した。」と報じた。
 アスベストの危険性が学術的に指摘されながら対応が遅れたために、わが国でも大きな被害が起き、尊い人命が失われたことは周知の事実である。これを踏まえ、カーボン・ナノチューブに同じような危険性があるのなら早急に対策を採る必要があり、今、進行している危険を食い止める努力が必要である。
 よって、以下質問する。

一 カーボン・ナノチューブが、どのように作られ、どのように使用され、どのように廃棄されているのか、政府は、国内の現状を把握しているのか。

二 政府は、危険性についての各現場への周知を行っているのか。

三 政府が行っている安全対策や製造現場での予防策を明らかにされたい。

  右質問する。