質問主意書

第162回国会(常会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質一六二第五号
  平成十七年三月八日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員山本孝史君提出国家公務員倫理規程の改正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本孝史君提出国家公務員倫理規程の改正に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十四年度及び平成十五年度に国家公務員倫理規程(平成十二年政令第百一号。以下「倫理規程」という。)第三条第二項第八号ただし書の規定に基づき倫理監督官に許可の申請があった事例について、許可された事例に係る金額の最高額並びに各行政機関等ごとの倫理監督官に対して許可の申請があった件数の最も多かった部署名及び当該件数についての調査・把握はしておらず、また、新たに調査・把握をすることは膨大な作業を必要とすることから、お答えすることは困難である。

二について

 今般検討している倫理規程の改正においては、職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が一万円を超えるときは、原則として、あらかじめ、倫理監督官が定める事項を倫理監督官に届け出なければならないこととすることを予定しているが、届出を確実に行わしめるため、国家公務員倫理審査会及び各行政機関等において届出制度の趣旨及び内容を職員に周知徹底することを予定している。また、届出義務に違反した場合には、懲戒処分の事由となり、これらによりその確実な履行が担保されるものと考えている。

三について

 今般検討している倫理規程の改正後においても、利害関係者からの供応接待は引き続き禁止され、また、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から、供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待を受けることは禁止されることから、お尋ねの「過剰接待の復活」にはつながらないと考えている。

四について

 お尋ねの「許可等の状況」については、国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)第四条の「内閣は、毎年、国会に、職員の職務に係る倫理の保持に関する状況及び職員の職務に係る倫理の保持に関して講じた施策に関する報告書を提出しなければならない」とする規定に基づき、「各種報告書の提出件数」、「懲戒処分等の状況」等と併せて報告しているところであり、倫理監督官が倫理規程第三条第二項第八号ただし書又は第六条第一項の規定に基づき許可又は承認(以下「許可等」という。)をしたものの総数及び許可等に係る申請の総数を報告しているところである。お尋ねの許可等がされた事例に係る金額についての調査・把握はしておらず、また、新たに調査・把握をし、各行政機関等ごとに一定の金額で区分して報告することは考えていない。

五について

 今般検討している倫理規程の改正においては、お尋ねの「本省幹部職員に係わる「利害関係者のみなし規定」」は廃止することを予定しているが、改正後においても、引き続き、他の職員の利害関係者が、職員をしてその官職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者とみなされることから、このような者からの供応接待等は禁止される。また、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から、社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けることは禁止される。さらに、倫理規程の改正と併せて、これらを再度周知徹底することを考えており、お尋ねのような本省幹部職員に係る汚職事件や過剰接待の再発は防止できるものと考えている。