質問主意書

第154回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一五四第八号
  平成十四年二月二十六日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員櫻井充君提出アフガニスタン復興支援会議へのNGOの出席問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員櫻井充君提出アフガニスタン復興支援会議へのNGOの出席問題に関する質問に対する答弁書

一について

 小泉内閣総理大臣は、田中元外務大臣を含む国務大臣の任命に当たり、民間人、若手の国会議員及び女性の登用や適材適所の人事に心掛けた。
 田中元外務大臣は、各国要人との会談等を通じて、我が国外交の基軸である日米関係の強化や、近隣諸国を始めとする各国との関係の促進に努めるとともに、テロ対策を含むグローバルな課題の解決に向け、国際社会の主要な一員として我が国がしかるべき役割を果たすよう努めたと考えている。

二について

 アフガニスタン復興支援国際会議への非政府機関(以下「NGO」という。)の参加に係る外務省内の問題で国会の審議が紛糾したことから、こうした事態を一日も早く打開するために、平成十四年一月二十九日深夜、小泉内閣総理大臣が田中元外務大臣に対し、国会の審議の正常化のために協力を要請したところ、田中元外務大臣は、更迭を了解し、辞任することとなったものである。

三について

 小泉内閣の支持率の低下には、様々な要因が関係していると考えられ、その理由を一概に述べることは困難である。

四について

 小泉内閣総理大臣の御指摘の答弁の趣旨は、鈴木宗男衆議院議員(以下「鈴木議員」という。)のことを余りに気にし過ぎた点は外務省として反省すべきであり、外務省にその点を強く指示したことから、今後は鈴木議員を含む特定の国会議員のことを余りに気にし過ぎることはなくなるとの考え方を述べたものであり、今回のNGOの出席問題をめぐっての外務省の姿勢を問題としたものである。

五について

 平成十四年一月二十日に開催したNGO会合への出席者を決定する過程において、ピースウィンズ・ジャパン(以下「PWJ」という。)及びジャパン・プラットフォーム(以下「JPF」という。)の出席を同月十九日にいったん不許可としたこと(以下「本件決定」という。)については、PWJの統括責任者であり、JPFの対外代表でもある者による報道を通じた発言を受け、外務省の事務当局として両団体との信頼関係が損なわれたと考えたこと及びJPFに参加しているNGOの大半はNGO会合へ出席することになっていたことによる。本件決定については、外務省において、事務次官までの事務レベルで決定したものである。

六について

 御指摘のテレビのインタビューにおける鈴木議員の発言については承知しておらず、質問者とのどのような会話の中でどのような意図からなされたものであるかも明らかではないので、お答えすることは困難である。

七について

 テロ対策、地球環境問題、開発問題等国際社会の諸課題への取組において、NGOを始めとする市民社会の果たす役割がますます重要になってきており、外交を推進するに当たっても政府とNGOとの間で十分な連携を図ることが一層重要になっていると考えており、今後ともNGOとの連携及び協力を図っていく考えである。