質問主意書

第151回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一五一第四号

  平成十三年三月十六日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員櫻井充君提出遺伝子組換え飼料スターリンク再混入に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出遺伝子組換え飼料スターリンク再混入に関する質問に対する答弁書

一、二及び四について

 遺伝子組換え食品であるとうもろこしの一品種であるスターリンク(以下「スターリンク」という。)については、米国から食品向けとして我が国に輸出されないようにするため、平成十二年十一月二十一日、日米双方がスターリンクの混入の有無に関する確認検査を行うこと等で一致した。その後、日米両国政府がそれぞれ確認検査を実施してきたところ、これまでに確認検査を行った三十検体中、米国の検査結果は陰性であるのに我が国の検査結果は陽性となったものが三検体あった。
 この原因として検査方法に係る技術的問題があることが疑われたため、本年一月二十五日から米国農務省との間で原因究明及び再発防止に関する協議を行った結果、同年二月二十一日、米国において検査の精度を高めるための措置を講ずることで一致した。具体的には、米国の内陸のとうもろこしの積込地において荷積み中にはしけ又は貨車ごとに採取する検体の粒数を、これまでの千二百粒から二千四百粒に増やし、米国における検査の精度を高めること、確認検査の検体は確実に我が国への輸出向けのものから採取すること及び確認検査の検体は米国で粉砕した後、その二分の一を我が国に空輸し、日米双方で同一の方法により確認検査を行うことによって、我が国に輸入されるとうもろこしへのスターリンクの混入の防止を図ることとしたところであり、本件について、米国政府に対して損害賠償又は謝罪を求めることは考えていない。
 なお、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)に基づき本年四月から遺伝子組換え食品の安全性審査を義務化することに伴い、輸入時に検疫所において遺伝子組換え食品のモニタリング検査を実施することとし、現在、検体の採取、検査の方法等について検討を進めているところであり、検査体制の充実に努めてまいりたい。

三について

 我が国において安全性審査の手続を経ていない遺伝子組換え食品及び遺伝子組換え飼料については、当面我が国に輸出される予定がないものであっても、生産、流通、加工等の過程で他の食品又は飼料に混入して我が国に輸出される可能性が否定できないことから、遺伝子組換え食品については早急に安全性審査の申請を行うよう、また、遺伝子組換え飼料については早急に「組換え体利用飼料の安全性評価指針」(平成八年四月十九日付け八畜B第五百八十五号農林水産事務次官依命通知)への適合性確認の申請を行うよう、関係国に対して要請するとともに、輸入時におけるモニタリング検査体制の整備に努めることとしており、我が国において安全性審査の手続を経ていない遺伝子組換え食品及び遺伝子組換え飼料が輸入されることのないよう万全を期してまいりたい。

五について

 国内生産では需要を満たすことのできない穀物については、輸入先の多角化に留意しつつ、米国を始めとする諸外国から安定的に輸入を行うことが重要であると考えており、これらの穀物の内外の需給動向等について的確な情報収集に努めるとともに、輸入穀物の安全性の確保にも万全を期してまいりたい。

六について

 国民に対する食料の安定供給については、食料・農業・農村基本法(平成十一年法律第百六号)に基づき、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行うこととしている。
 このため、同法に基づき策定した食料・農業・農村基本計画(平成十二年三月二十四日閣議決定)において、平成二十二年度における主要農産物ごとの生産努力目標を定め、国内における農業生産の増大を図ることとしているところである。