質問主意書

第145回国会(常会)

質問主意書


質問第六号

在沖米海兵隊による実弾砲撃の移転演習に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年二月十七日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   在沖米海兵隊による実弾砲撃の移転演習に関する質問主意書

 県道一〇四号線を封鎖し、キャンプ・ハンセン演習場で長年にわたって実施されていた在沖米海兵隊の一〇五ミリ、一五五ミリりゅう弾砲による実弾砲撃演習が、一九九七年以降本土の五箇所の演習場で移転実施されるようになった。
 沖縄では、海兵隊の実弾演習で緑が破壊され、水源地が汚染され、また、山火事の発生や流弾、跳弾等による生命・身体の安全に対する恐怖を強いられてきた。着弾地付近の小・中学校の生徒達は、実弾の飛翔音や炸裂音に脅え、恐怖から解放されることはなかった。多くの県民が望むのは、実弾演習自体の廃止であって本土移転演習の実施ではない。
 在沖米海兵隊の移転演習は、矢臼別、王城寺原、北富士、東富士、日出生台の五箇所の陸上自衛隊演習場で合計八回実施された。移転演習の実態は、さながら「本土の沖縄化」であり、「新ガイドラインの先取り」であると非難せざるを得ない。キャンプ・ハンセンにおける通常兵器による演習は、むしろ激化している事実も強く指摘せざるを得ない。
 よって、次の点について質問する。

一、在沖米海兵隊の実弾砲撃の移転演習で五箇所での演習に参加した各演習毎の兵員の数、発射実弾の数について、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。

二、移転演習の際の兵員、りゅう弾砲等の物資、弾薬は誰が、いかなる方法で輸送したのか。輸送の契約先、契約内容、政府が負担した費用を含め、各演習毎に、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。

三、移転演習の際、不発弾の回収、処理は実施されたのか。実施されたならどのような方法で実施したのか。実施していないならばその理由について、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。

四、移転演習の際、自衛隊が取った米海兵隊への協力、支援活動の内容を明らかにされたい。

五、キャンプ・ハンセンにおける実弾砲撃演習では採られなかった安全措置で、移転演習の際には採用された安全措置があったのか、政府の認識を明らかにされたい。

六、現在キャンプ・ハンセンで実施されている通常兵器による実弾演習の内容、規模、頻度について、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。

  右質問する。