質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第二十五号)昭和二十二年八月十六日配付

内閣参甲第三〇号
  昭和二十二年八月十五日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員井上なつゑ君提出病院組織看護業務の改善並に国家による看護婦再教育に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員井上なつゑ君提出病院組織、看護業務の改善並びに国家による看護婦再教育に関する質問に対する答弁書

 質問のうち、第一の病院の組織の点については、病院は法規上は必ず医師が之を管理し、病院運営の全責任を負わなければならないので従つて医学的の知識のない者が事務を管掌するようなことはできない建前になつている。しかし実際問題としては、質問のような場合も時にあるかと思われるが、その点は関係方面とも十分協力して指導改善するように努力致したい。なお、看護婦が雑役に使用せられて、十分にその本来の役目を果していないこともあると思うが、今回看護婦に関する新制度も制定せられ、その資質の向上も図られることになつたので、これを機会に医師その他の関係者にも十分その点を徹底させると共に、一般国民にもこの点に関する理解と関心とを深めていただき各方面の協力によつて、看護婦がその本分に専念することができるようにしたいと思う。
 第二の看護婦再教育の問題については新政令によつて将来の看護婦の資質の向上を図るのと並行して現在の看護婦に対して再教育を行いその資質を向上せしめなければならないことは、たしかに御意見の通りであるが、これを実行するについては現に看護婦の勤務している病院その他の施設、看護婦養成機関、看護婦団体等の理解と協力とによつて、自主的に行われるように極力勧奨するとともに、国庫からもできる限りの助成が与えられるように十分努力致したい。