質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第八十号)昭和二十二年十月二日配付

薪炭価格引上げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十月一日

橋本 萬右衞門      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   薪炭価格引上げに関する質問主意書

 福島県東白川郡鮫川村は標高五百米の高原地に位置し、東西五里五丁余、南北四里十二丁余を有する福島県内屈指の大巨村にして、田畑百拾有余町を有するも冷害を受くる事屡々にして、凡ゆる多角的農業形態を以つて生活を維持し、現下科学的農業経営に一変、一意増産を目途とする昨今、米麦に在りては産地と見做さるに至りたるも、木炭においては山間渓谷の地故生産費の加重に依り増産意欲の底下甚だしく戦前に比較し約半数に足らざる現況である。之が対策として各機関に対し凡ゆる創意を求めたるもその甲斐なく、日一日と減産する状態にある。生産者の声を取入れ、増産意欲を昂揚するには現在の消費者価格と生産者価格差を縮少し、生産者価格を全面的に引上げる事の外にないと思うが、左記に生産者価格並に消費者価格及生産費等列記し、政府の所見を問う。

   左記
一、生産者価格(樹種雑)五三円
一、消費価格(〃  )八〇円五〇銭
一、価格差二七円五〇銭
一、生産費
 1 原 木二〇円(炭一俵原木)
 2 包装費 八円(〃    )
 3 運搬費一〇円(〃    )(自動車通路迄ノ運賃)
    計三八円

生産者手取金一五円
一ケ月一〇〇俵出荷出来得る生産者は毎日三人の労働者を必要とする。一人月収五〇〇円程度である。