質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第五十四号)昭和二十二年九月十六日配付

不具及び失明者に対する鉄道料金全免又は割引に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年九月十二日

小林 勝馬      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   不具及び失明者に対する鉄道料金全免又は割引に関する質問主意書

 戦争等に依り不具及び失明者の数は激増せられた。彼等は戦争犠牲者として不具又は失明に依り身心共に非常な打撃を受け又深刻なるインフレの中に思いも及ばなかつた不自由なる日常生活に苦慮している現状である。如何に敗戦とは言え愛国の情に一身を挺した彼らに国家的救済を行うのは当然であると考える。現在非常な混雑と危検を伴つている鉄道の輸送状況のもとに有つては一人歩きは不可能である。故に乗車に際しても之を保護し案内する付添人の同伴が是非共必要である事は言を俟たない。かくて彼等は一人の旅行にも二人分の経費と労力を支払わされているのである、すでに東京都外四大都市において都営及び市営電車は昭和十二年頃より要付添人優待乗車証の発行を実施中であるが、之を国鉄私鉄にも及ぼして運賃三倍半の値上にあえぐ之等特殊事情にある不具及び失明者に対して

 一、鉄道運賃の全免、又は特別割引

 一、切符の優先販売

 一、列車の優先乗車

右事項を解決出来得たならば初めて不具者に杖を与え得るものと確信する。

以上の事項に対し政府の処信を問う。

  右に対する書面答弁を希望する。