請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 1372 件名 原発事故避難者の実態把握に基づく支援の実施等に関する請願
要旨  二〇一一年三月の東日本大震災に端を発した東京電力福島第一原発事故は七年半以上たった今もまだ続いており、長期にわたる未曽有の原発災害に直面している。被害は、生業や生きがいの喪失、家族やコミュニティの分断、健康リスクと不安の増大、避難先での偏見やいじめなど多岐にわたり、複雑である。重ねて、住宅提供等の公的支援終了が追い打ちを掛けている。避難継続をしている人たちの中には、孤独や孤立に悩み、経済的に困窮している人たちもいる。原発事故との因果関係は明らかにされていないものの、福島県県民健康調査によって甲状腺がんと診断され手術された子供たちの数は百六十二人となった。二〇一二年六月、全国会議員の賛成の下に成立した「原発事故子ども・被災者支援法」に盛り込まれている多くの支援策は実現していない。また、原子力損害賠償紛争審査会による賠償指針は不十分であり、被ばくや汚染という被害の観点が抜け落ちている。原子力規制委員会は、避難指示区域外のモニタリング・ポスト二千四百台を二〇二〇年度末までに撤去する方針を打ち出した。しかし、これでは住民が身近な場所における空間線量率の変化を直接知ることができなくなる。放射性物質の拡散も進められようとしている。経済産業省や原子力規制委員会は、福島第一原発の敷地内のタンクにためられている一千兆ベクレルものトリチウムに加え、複数の核種を含む多核種処理施設(ALPS)処理汚染水を海洋放出しようとしている。それに加えて、環境省は除染土を全国の公共事業や農地造成などに使う方針を打ち出している。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、原発事故避難者の実態把握に基づく支援の実施を行うこと。
二、子供たちの保養のための措置を行うこと。

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