請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 1203 件名 公務・公共サービス拡充に関する請願
要旨  西日本豪雨災害に象徴される頻発する自然災害、格差と貧困の拡大、蔓延(まんえん)する長時間労働に対して、安心・安全な暮らしを求める国民の行政へのニーズが高まっている。しかしながら、それらのニーズに応える行政機関では、国家公務員が足りていない状況にある。それは、国家公務員の定員の上限が行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)によって厳しく制限されている上に、定員合理化計画で毎年二%(五年で一〇%以上)ずつ人員が削減され続けているためである。さらには、その定員合理化計画が二〇一九年で終了するため、新たな定員合理化計画が策定されようとしている。これでは、ますます国民の期待やニーズに応えることが困難になってしまう。一方で、脆弱(ぜいじゃく)になった行政体制を補完し、増加する行政ニーズに対応するため、非常勤職員が多く採用されている。その数は約七万人に上り、安定した行政運営に不可欠な存在となっている。しかし、非常勤職員の処遇は劣悪で雇用も不安定(短期)であることから、官製ワーキングプアと批判されている。二〇一八年四月から民間労働者には無期転換申込権が生じているが、公務で働く非常勤職員にはその権利も認められていない。また、期間業務職員の更新は、公募を原則とするという運用が硬直的に行われていることからパワハラ公募(人権侵害)と言われ、行政の専門・継続性にも悪影響を及ぼしている。以上の理由から、国民の権利と安心・安全を守るために、非常勤職員の安定雇用の実現と行政運営に必要な人員の確保によって公務・公共サービスを拡充することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」を廃止するとともに、新たな「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針(定員合理化計画)」は策定しないこと。
二、国家公務員の増員によって国民の権利と安心・安全を守るために必要な行政体制を確保すること。
三、非常勤職員の安定雇用を実現すること。そのため、以下の事項を実現すること。
 1 恒常的・専門的・継続的業務に従事する非常勤職員は、常勤化・定員化すること。
 2 労働契約法の解雇権濫用法理や無期転換制度と同様の制度を整備すること。 
 3 期間業務職員の更新に係る公募要件は撤廃すること。

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