請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 500 件名 農業者戸別所得補償制度の復活に関する請願
要旨  家族経営を中心とした多くの稲作農家に、生産費を下回る米価水準により「これでは作り続けられない」という状況が広がっている。また、安い米の定着によって、生産者だけでなく米の流通業者の経営も立ち行かない状況となっている。こうした中で政府は農地を集積し大規模・効率化を図ろうとしているが、農作業の委託などを受けた地域農業を担う規模拡大した集落営農や法人ほど赤字が拡大し、経営危機に陥りかねない。平成二十五年度までは米、麦、大豆などの生産を行った販売農業者に対して販売価格(全国平均)が生産費(全国平均)を恒常的に下回っている作物を対象として、その差額を交付することにより農業経営の安定と国内生産力の確保を図り、もって食料自給率の向上と農業の多面的機能を維持することを目的とした農業者戸別所得補償制度が設けられ、米については十アール当たり一万五千円が交付され、多くの稲作農家の再生産と農村を支えていた。平成二十六年度には経営所得安定対策に切り替わり、米については米の直接支払交付金として十アール当たり七千五百円に半減し、平成三十年度からこの交付金も廃止された。これでは、稲作経営が成り立たないばかりか水田の持つ多面的機能も喪失し、地域経済をますます困難にしてしまうことは明らかである。今こそ欧米では当たり前となっている経営を下支えする政策を確立することが必要である。そうした観点から、当面、生産費を償う農業者戸別所得補償制度を復活させ、国民の食料と地域経済、環境と国土を守ることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、農業者戸別所得補償制度を復活させること。

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