請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 1570 件名 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願
要旨  二〇一五年一月に施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)によって、我が国の難病対策は、法的根拠を持つ総合的対策として新しく出発した。難病法は、その理念で「難病患者が地域社会において尊厳を持って生きることができるよう、共生社会の実現に向けて」「難病の特性に応じて、社会福祉その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に行われなければならない」と定め、厚生労働大臣が定めた基本方針では、「難病は、一定の割合で発症することが避けられず、その確率は低いものの、国民の誰もが発症する可能性があり、難病の患者及びその家族を社会が包含し、支援していくことがふさわしいとの認識を基本として、広く国民の理解を得ながら難病対策を推進することが必要である」としている。しかし、それらの実現においてはまだ課題を多く残しており、障害者総合支援法において難病もその対象となり、難病患者・家族の長年の念願が実現したが、それらの周知も十分ではない。国及び地方自治体がこれらの難病法等の基本的な推進の方向に沿って一層の努力をするとともに、難病以外の長期慢性疾病の患者・家族が安心して暮らすことのできる社会の実現に向けて有機的連携を図りながら総合的な対策を推進するよう求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、未診断疾患を含めた難病の原因の究明、治療法の早期開発、診断基準と治療体制の確立を急ぎ、指定難病の拡大及び国民への難病に対する理解と対策の周知を進めること。
二、難病患者と家族が地域で尊厳を持って生活していくことができるよう、難病法に基づき生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾病患者の医療費を始めとする経済的負担の軽減を図るとともに、就労支援や障害者総合支援法による福祉サービスの提供などの政策を更に推し進めること。
三、難病や長期慢性疾病、小児慢性特定疾病の子供や家族への支援と、成人への移行期医療や医療的ケアを含む教育支援の充実を図ること。
四、全国のどこに住んでいても我が国の進んだ医療を受けることができるよう、専門医療と地域医療の連携を強化するとともに、医師、看護師、専門スタッフの不足を原因とする医療の地域格差を解消し、リハビリや在宅医療の充実を図ること。

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