請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 228 件名 共謀罪(テロ等準備罪)法の速やかな廃止に関する請願
要旨  政府・与党は、多くの国民が内心の自由や言論表現、思想信条の自由を侵すおそれがあると反対し、熟議を求めていた共謀罪法案(テロ等準備罪―組織犯罪処罰法改正案)を、二〇一七年六月十五日、参議院法務委員会での審議と採決を省略し、いきなり本会議に持ち込むという強権的手法で強行可決させた。テロ対策に必要との口実で提出したものであるが、十三ものテロ防止の国際条約を既に締結していることやテロに関わる重大犯罪を未然に防止する法制が十分備わっていることからも、制定の理由も必要もないことが明らかになった。取り分け、二百七十七もの犯罪の準備をしたとの容疑で捜査対象にされる組織的犯罪集団の定義は、国会の審議を経るも曖昧なままで、判断は警察など捜査機関に丸投げされ、市民運動、住民運動、労働運動など主権者としての意見表明の活動までもが監視の対象とされ、弾圧をされるとの懸念がいまだ払拭されない。警察などの捜査機関は過去においても市民運動や労働運動などへの盗聴、盗撮、弾圧、冤罪(えんざい)を繰り返してきた前例が多くあり、既に制定されている特定秘密保護法や盗聴法(通信傍受法)などと合わせ、政治的恣意的に共謀罪法を解釈し、運用する危険が更に高まった。また、共謀罪法は、犯罪が実行される前の計画段階の会話、通信、言論を捜査対象にするとともに、捜査協力者をつくることや密告も奨励し、権力による国民監視と住民同士の監視による不信をあおり、萎縮と疑心暗鬼の社会を招来しかねない。このような憲法違反の人権侵害法であり、それゆえに多くの国民世論が反対し、十分な審議を尽くすよう求めていたにもかかわらず、政府・与党は委員会中心主義の国会法を踏みにじり、中間報告を参議院本会議で強行可決をさせる暴挙に出た。国民の声を無視した違憲で違法な手続の中で制定された共謀罪法は、直ちに廃止されるべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「共謀罪(テロ等準備罪)」法を直ちに廃止すること。

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