請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 184 件名 介護保険制度の改善、介護報酬の引上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願
要旨  介護保険の見直しが行われ、現役並み所得者の利用料三割化、生活援助の人員基準の引下げ、入院ベッドを削減するための受皿づくり、市町村を介護費用の削減に駆り立てる仕組みの導入など、新たな負担増やサービスの削減をもたらす内容が盛り込まれた。前回の見直しで「利用料が一割から二割になりサービスを半分に減らした」「特養の対象が原則要介護三以上になり入所できない」などの介護困難が広がっている。サービスの削減によって家族の介護負担が増え、仕事を辞めざるを得なくなるなど、政府が掲げている介護離職ゼロに反する事態も生じている。介護報酬の大幅な引下げによって事業者の倒産件数は過去最高となり、小規模事業所の廃業が後を絶たない。職場では、職員を募集しても応募がなく人手不足が常態化している。全産業平均と比べて月十万円も低い給与など、介護従事者の処遇改善も遅れたままである。介護福祉士の養成校では、学生が集まらず、募集定員を減らしたり廃校に至った学校もある。サービスの削減・負担増一辺倒の見直しでは、高齢者の生活を守り支えることはできない。高齢化が進展する中で、介護保障の充実は全ての高齢者・国民の願いである。そして、介護を担う職員が自らの専門性を発揮し、誇りを持って働き続けられる条件整備を一刻も早く実現させなければならない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、生活援助を始めとする介護サービスの削減や利用者負担の引上げを実施しないこと。
二、必要なサービスを受けられるよう、制度を抜本的に見直すこと、特養ホームなどの整備を早急に行うこと。
三、介護報酬を大幅に引き上げること。
四、介護従事者の処遇を大幅に改善し、確保対策の強化を急ぐこと。
五、以上を実現するために、政府の責任で必要な財源を確保すること、社会保障費の削減を中止すること。

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