請願

 

第196回国会 請願の内閣処理経過

件名 ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者の支援と肝炎ウイルス検診等の推進に関する請願
新件番号 1947 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H31.3.25
処理要領 一 B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス(以下「肝炎ウイルス」という。)による肝がん・重度肝硬変の特徴を踏まえて、患者の医療費負担の軽減を図りつつ、肝がん・重度肝硬変の治療研究を促進する仕組みを構築するため、平成三十年度予算において、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業に係る費用を計上している。本事業については、平成三十年十二月から開始したところであり、本事業を平年度化して実施するため、引き続き必要な財源を確保してまいりたい。
二 政府においては、肝炎対策の推進に関する基本的な指針(平成二十八年厚生労働省告示第二百七十八号。以下「基本指針」という。)に基づき、肝炎医療をはじめとする研究の総合的な推進を図っている。
  肝硬変については、基本指針で、肝硬変等に対する医薬品や治療法の開発等を今後の取り組むべき課題と位置付けており、「肝炎研究十カ年戦略」(平成二十三年十二月二十六日策定)に基づき、肝硬変の病態やQOL改善に関する治療薬・治療法を開発する研究を行っているところである。
  また、肝がんについても、「がん研究十か年戦略」(平成二十六年三月三十一日策定)に基づき、肝がんも含めたがんに対する新規薬剤を開発するための研究や、新たな標準治療を創るための研究を行っているところである。
三 B型肝炎の画期的な治療薬については、基本指針で、B型肝炎や肝硬変に対する医薬品や治療法の開発等を今後の取り組むべき課題と位置付けており、「肝炎研究十カ年戦略」に基づき、B型肝炎の創薬実用化研究を推進している。
  これまでのB型肝炎の創薬実用化研究において、B型肝炎ウイルスに係る実験基盤の確立並びに既存薬を応用したB型肝炎の治療薬及びゲノム技術を利用したB型肝炎の治療法の開発が進められており、これらの成果により、B型肝炎に対する治療薬の開発や治療法の実用化に結び付くよう、引き続き研究に対する支援を行ってまいりたい。
四 肝炎対策においては、肝炎の早期発見及び早期治療が重要であると考えている。このため、政府としては、地方公共団体において行われる肝炎ウイルス検査及び受検勧奨、職域での検査促進等の取組の支援を行うとともに、肝炎総合対策国民運動事業等による普及啓発を通じて、肝炎ウイルス検査の受検及び陽性者の受診促進の更なる推進を図っている。また、地方公共団体に対し、土日及び夜間における検査及び出張型検査の実施、医療機関への委託検査、健康診査の場の活用等の受検者の利便性に配慮した取組を行うよう働きかけてきたところである。
  さらに、平成二十六年度から、陽性者を早期治療につなげ、重症化予防を図る観点から、陽性者のフォローアップを実施するとともに、肝炎ウイルス検査において陽性と判定された者を対象とする初回精密検査費用の助成並びに肝炎ウイルスの感染を原因とする慢性肝炎、肝硬変及び肝がんの患者を対象とする定期検査費用の助成を実施している。定期検査費用の助成については、平成二十七年度には助成回数を年一回から年二回に増やし、平成二十八年度には対象者を高所得以外の世帯の者に拡大し、平成二十九年度には一定以下の所得の世帯の者の自己負担額の軽減を図り、平成三十年度には助成を受けるために必要な医師の診断書の提出の省略を図る等、支援の充実に向けた取組を行っている。加えて、肝炎ウイルスによる肝炎の早期治療の促進のため、抗ウイルス治療に係る医療費助成を行っている。

一覧に戻る