請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 1648 件名 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願
要旨  二〇一五年一月に施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)によって、我が国の難病対策は、法的根拠を持つ総合的対策として新しく出発した。難病法第二条の基本理念では、難病患者が地域社会において尊厳を持って生きることができるよう、共生社会の実現に向けて、「難病の特性に応じて、社会福祉その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に行われなければならない」と定められた。難病法第四条に基づいて厚生労働大臣が定めた「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)では、難病の患者に対する医療等の施策の方向性について、法の基本理念にのっとり、「難病は、一定の割合で発症することが避けられず、その確率は低いものの、国民の誰もが発症する可能性があり、難病の患者及びその家族を社会が包含し、支援していくことがふさわしいとの認識を基本として、広く国民の理解を得ながら難病対策を推進することが必要である」との基本的な認識をうたっている。障害者施策や就労支援など少しずつ施策の改善が始まっているが、難病患者の障害が見えづらいことから、一層の周知を始めまだまだ多くの課題が山積している。国及び地方自治体がこの基本的な推進方向に沿った難病対策の総合的な推進と国民への周知を一層進めるとともに、難病以外の長期慢性疾患患者が安心して暮らしていける社会に向けて総合的な対策を推進することを求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、難病法第四条に基づく基本方針の早期実現、研究の促進、治療法の開発、指定難病対象疾病の拡大及び周知を進めること。
二、長期にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患患者の医療費負担の軽減を図るために、長期療養給付制度の導入と高額療養費制度の更なる見直しを検討すること。
三、難病や長期慢性疾患を持つ子供たちや家族への支援、成人期対策の充実を図ること。
四、全国どこに住んでいても我が国の進んだ医療を受けることができるよう、地域医療と専門医療の連携と充実を図るとともに、医師、看護師、専門スタッフの不足による地域医療の格差の解消を急ぐこと。
五、「全国難病センター」(仮称)の設置等により、都道府県難病相談支援センターの充実や一層の連携、患者・家族団体活動への支援、難病問題の国民への周知等を充実させること。

一覧に戻る