請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 1474 件名 国民の権利と安心・安全を守る公務・公共サービスの拡充に関する請願
要旨  格差と貧困の拡大を背景に、公務・公共サービスの重要性とニーズが高まっている。朝日新聞の世論調査(二〇一六年六月)でも、政治に対して、最も多い五三%の人が医療・年金などの社会保障を充実してほしいと期待を寄せている。しかし、そうした公務・公共サービスの提供を担う国家公務員の定員は「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」によって上限が厳しく制限され、職場は国民からの要望に十分に対応できない状況である。さらに、政府の定員合理化計画によって、毎年二%(五年で一〇%以上)もの人員が削減され続けている。その主な削減対象は、国民と直接向き合う地方出先機関の職員である。他方、劣悪な処遇と短期雇用から官製ワーキングプアと批判されている非常勤職員が約七万人にまで増加し、国の責任で実施すべき仕事の民間委託も進んでいる。これらが公務の質の低下を招き、サービスの受け手である国民の権利、安心・安全を脅かす事態となっている。実際、電通の過労自殺問題や軽井沢スキーバス転落事故などでは、企業を指導・監督する行政体制の不備が指摘された。頻発する自然災害への対応についても急務の課題である。若者の就職問題や非正規化が深刻になっている現在、公務の職場から増員にかじを切り、非正規から正規雇用への転換を果たすことは、国民の理解を得られ、誰もが安心して働き暮らせる社会の実現につながる。国民の権利と安心・安全を守るため、公務・公共サービスを拡充することを強く求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、国民の権利と安心・安全を守るため、国家公務員の増員によって必要な行政体制を確保し、公務・公共サービスを拡充すること。
二、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」を廃止するとともに、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針(定員合理化計画)」を撤回すること。
三、定員管理の柔軟な運用を図ること。当面、以下の事項を実現すること。
 1 非常勤職員の無期雇用化を実現すること。
 2 再任用職員の任用は定員の枠外で措置すること。

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