請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 1372 件名 テロ等準備罪(共謀罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案の廃案に関する請願
要旨  政府・与党は、二〇〇三年の通常国会に初めて提出され世論の強い反対で過去に三度も廃案となった共謀罪を今回の法案では本質は何ら変更することなくテロ等準備罪と呼称を変えて今国会に提出し、会期末までに成立させようとしている。法案では、新たに組織的犯罪集団によることと準備行為を行ったことの二つを要件に加えたとしている。しかし、組織的犯罪集団といっても特段の定義はなく、労働組合や市民団体であっても性格が一変すれば該当すると政府も認めており、正当な行動であっても捜査当局が性格が変わったと認定すれば、捜査の対象になる。そして、政府案で例示している準備行為とは、資金、物品の手配、下見など、普通の人が犯罪とは無関係に行う行為であり、その他の準備行為との曖昧な規定ともあいまって、どのような口実で犯人に仕立て上げられるか分からない。また、対象とする犯罪を減らしたとしているが、犯罪の共謀という合意を処罰対象にするという共謀罪の本質には何ら変更はなく、取り締まられる対象はテロの共謀だけではなく、二百七十七の該当犯罪全ての共謀であり、憲法が保障する思想や内心の自由が脅かされることは明らかである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「テロ等準備罪(共謀罪)」を新設する組織犯罪処罰法改正案を速やかに廃案にすること。

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