請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 799 件名 地方自治体の臨時・非常勤職員の労働条件改善に関する請願
要旨  現在、地方自治体では常勤職員(正規公務員)が十年余りで約三十万人削減された一方、多様化・複雑化する行政需要への対応のため臨時・非常勤職員は約二十万人増え、六十四万四千人に上っている。臨時・非常勤職員の賃金は、常勤職員と同様の仕事をしていてもはるかに低水準の上、職務経験を考慮せず、何年働いても同一額の支給しかない場合も多く見られる。休暇制度も、総務省調査でも労働基準法違反が明らかになっているだけでなく、忌引や病気休暇、育児休業も制度整備されず、不利益を被るばかりか政府が進める女性活躍・両立支援に逆行する事態となっている。さらに、勤続年数などを理由とした一律年限での雇い止めが行われ、職場の混乱、住民サービス低下を招くなど、非効率的な行政運営となっている。公務の効率的な運営や良質な行政サービス提供の観点からも、雇用の安定が必要である。こうした実態にもかかわらず、総務省は「地方公共団体が任命権者として責任を持って適切に判断いただくべき」として、臨時・非常勤職員の抜本的な待遇改善を図る法律改正に踏み出していない。政府は、同一労働同一賃金の実現や非正規雇用の待遇改善などを打ち出しているが、それらを実行していく上では、まず公務職場で率先垂範すべきである。
 ついては、臨時・非常勤職員の労働条件改善と雇用安定のため、次の事項について実現を図られたい。

一、地方自治体が住民サービスの維持・向上に必要な職員配置を行えるよう、国として行財政上の措置を行うこと。
二、地方自治体の臨時・非常勤職員について、その雇用の安定、均等待遇を図る関係法令の整備を行うこと。当面、賃金・手当、休暇、安全管理、福利厚生等で職務内容に見合った処遇を確保するための措置を行うこと。
三、恒常的・本格的業務に就く地方自治体の臨時・非常勤職員について、任期の定めのない正規職員として選考採用する仕組みを整備すること。

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