請願

 

第192回国会 請願の要旨

新件番号 1308 件名 共謀罪(テロ準備罪)法案の国会提出反対に関する請願
要旨  安倍政権は、共謀罪(テロ等組織犯罪準備罪)を新設するための法案(共謀罪法案)の新設を狙っている。被害がないのに、犯罪について話し合い、合意したことを処罰する共謀罪は、過去三度にわたり国会に提出され、そのたびに国民の大きな反対によって廃案となったものである。重大な問題点を持つ共謀罪法案に反対する。第一に、共謀罪法案は、憲法で保障された思想・信条、内心の自由を侵す法案である。近代刑法では、被害が生じた場合にその犯罪行為を処罰することが原則である。そのため、通常の捜査は事件が起きて誰が犯人かを捜査するが、共謀罪は事件の前の合意を処罰するため、その内心(思想・信条)に踏み込んで捜査することになる。今回予定の法案は、話合い・合意だけでなく、準備行為を加え処罰条件を限定していると言われている。しかし、準備行為には限定がなく、準備行為に関与していない者も共謀していれば処罰できることから、結局は内心を侵す本質は変わらない。第二に、共謀罪法案は、テロ対策どころか、広く市民、団体を監視することになる。政府は、テロ対策のために共謀罪が必要だと強調している。しかし、共謀罪が適用される犯罪(四年以上の刑の犯罪)は六百を超え、テロとは全く関係のない公職選挙法や道路交通法まで広く市民生活に関わる犯罪も対象になっている。対象となる組織的犯罪集団の定義も曖昧で、市民団体と労働組合も対象にされかねない。第三に、共謀罪法案は、警察の日常的監視、密告社会を招く。共謀罪が新設されれば、日常的に会話を盗聴する捜査が行われるおそれがある。戦前の隣組のような市民同士の相互監視・密告社会を生み出す危険がある。おとりの捜査員を団体に潜入させ、共謀罪を成立させて、団体を潰すことに利用されかねない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。
 
一、「共謀罪」法案を国会に提出しないこと。

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