請願

 

第192回国会 請願の要旨

新件番号 595 件名 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の拡充・強化に関する請願
要旨  求職者が適職を得ることは容易ではない中、求職者一人一人と向き合い、ふさわしい能力開発等の丁寧な支援を進めるとともに、良質な雇用を確保する取組を担う公共職業安定所の役割が重要となっている。労働基準監督官は、労働関係法令に基づいてあらゆる事業場に立ち入り、法令に定める最低基準を確保する役割を担っている。しかし、第一線で監督業務に日常的に従事する労働基準監督官は全国で千五百人程度にすぎず、六百万とも言われる事業場をつぶさに監督することは困難な状態となっている。近年、労働基準法等の違反率は六〇%台後半で推移し、使い捨て企業・ブラック企業等への対策も急務である。そのためには労働基準監督官の増員等による行政体制の整備が重要となっている。さらに、セクハラやパワハラ等への対応や女性の活躍推進等を担う労働局(雇用環境・均等部等)の体制整備も欠かせない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、労働統計指標(有効求人倍率等)の多くは改善傾向を示しているものの、職種間のミスマッチが大きいことに加え、求人は非正規雇用、低賃金が多数を占め、依然として求職者が適職を得ることは容易ではない。働く人々の雇用環境も深刻で、労働基準監督署における臨検監督は六〇%台後半の高い違反率で推移し、セクハラやパワハラといった人権侵害も後を絶たない。こうした中、労働者・国民の良質な雇用の確保・安定、適正な労働条件の確保・向上を図ることが強く求められている。ILO条約や日本国憲法の趣旨にのっとり、労働者・国民のナショナルミニマムを十全に保障するための国の責任を明確にするとともに、労働行政体制を整備・強化することが必要である。
 1 東日本大震災からの復興対応を含め、労働者・国民の権利を保障するため、国が責任を持って雇用・労働施策を充実させること。
 2 大幅に増加する行政需要に対応し、労働者・国民の権利保障を図るため、公共職業安定所や労働基準監督署、都道府県労働局の体制整備を行うこと。

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