請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 742 件名 労働時間と解雇の規制強化に関する請願
要旨  健康で文化的な生活が保障される社会を実現するためには、一日八時間、週四十時間以内の労働時間規制と安定した雇用が必要である。働く現場では、長時間・過密労働や生体リズムを狂わせる夜勤交替制労働、常に雇用不安にさいなまれる非正規雇用が広がり、心身の健康を損なう人が後を絶たない。過労死等防止対策推進法の制定後もなお過労死や過労自死する人が続出する事態にあり、そこからの脱却は急務である。こうした折に、労働時間や解雇の規制を緩和し、不安定な派遣労働を広げるなど言語道断である。今、求められているのは、心身の健康を無視した働き方・働かせ方や不安定雇用の濫用を規制し、労働時間の短縮と安定した雇用を実現するための法制度の整備である。
 ついては、男女が共に安心して働き、子を産み育てられる社会を実現するため、次の措置を採られたい。

一、労働基準法の改正においては、「労働時間規制の適用除外の拡大」(高度プロフェッショナル制度)や「裁量労働制の対象拡大・手続緩和」は行わず、以下の規制強化を図ること。
 1 時間外労働の上限として当面「限度基準」を法定化し、三六協定の特別条項は廃止すること。
 2 勤務の終了と開始の間に十一時間以上の間隔を置く「勤務間インターバル制度」を導入すること。
 3 夜勤交替制労働は社会に必要不可欠な事業に限り認め、法定労働時間を日勤労働者より短くすること。
二、期間の定めのない直接雇用の労働契約を原則とする社会を目指し、労働者派遣法を早急に改正すること。改正に当たっては、派遣労働は臨時的・一時的かつ専門性の高い業務に限定し、正社員との均等待遇を保障すること。
三、解雇の金銭解決制度など、解雇しやすい仕組みづくりの検討は中止し、整理解雇の四要件を法律化するなど、解雇規制を強化すること。

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