請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 283 件名 建設アスベスト問題の早期解決と被害者の救済に関する請願
要旨  クボタのアスベスト被害が大きな社会問題になって十年が経過した。石綿健康被害救済制度の給付者は二〇〇六年の制度発足以降一万人を突破し、労災認定者を含め二万人を超え、二〇一四年度のアスベスト疾患による労災認定数は建設業で五百八十七人で全産業の五割以上を占めている。建設産業は最大のアスベスト被害産業であり、さらに、アスベスト含有建材を使用した建物約二百八十万棟の解体工事が今後ピークを迎えることからも、被害の拡大は必至な状況である。現在、被害者が原告(被害者単位で六百四十五人)となり、国とアスベスト建材製造企業を被告とする裁判が各地で行われているが、アスベストを原因とする疾患は重篤で完治はあり得ず、原告の中でも提訴後百三十五人が亡くなっている。アスベストによる全ての被害者に対する早期の解決と救済、裁判所の判断によらない一日も早い解決と救済を強く求める。東京地裁判決も、建設従事者が受けた被害の深刻さに対し国のみでなく製造企業を含めた補償へ立法府及び関係当局における真剣な検討を望むと述べている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、建設アスベスト問題の早期解決を図り、建設アスベスト被害者救済の補償基金制度を検討すること。

一覧に戻る