請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 4010 件名 学費の負担軽減、高等教育予算増額に関する請願
要旨  大学の学費(授業料・入学料など)は、国立大学で八十万円、私立大学で平均百三十万円に上り、お金がなくて勉学を諦める若者が増え続け、学ぶ機会や将来への夢が奪われている。二〇一二年に政府は国際人権規約第十三条第二項cについてこれまでの留保を撤回し、学費を段階的に無償にすると決めたが、そのための具体的な政府の取組は極めて不十分である。ほとんどの先進国では、授業料は無料か極めて安く、奨学金制度でも返済しなくてよい給付制が中心に据えられている。学ぶことは人間らしく生きる上で不可欠であり、若者が学んでこれからの社会の担い手として成長してこそ、人類が課題を解決し、新しい時代をつくる道も開ける。経済的理由で学業を諦める若者をなくそうと各地の大学で学費負担を減らす動きが始まっている。学びを守る社会を実現し、教育を受ける権利(憲法第二十六条)を保障するため、政府が責任を持って手立てを講じることを強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国際的にも高過ぎる学費を、これ以上値上げせず、段階的な値下げに踏み出すこと。
二、お金がなくて学べない若者を生まないため、政府の責任で、学費の負担を減らすこと。
 1 授業料免除を、年収四百万円以下の家庭の学生は全て受けられるようにし、さらに実情を踏まえた軽減措置を広げること。
 2 奨学金では無利子枠を増やし、給付制をつくるとともに、卒業後は、年収三百万円以下の全ての人の返済を猶予すること。
三、老朽化して危険な施設を速やかに改修し、特に学生寮を充実すること。
四、以上を実現するため、高等教育予算の削減をやめて増額すること。

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