請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 2416 件名 マッサージ診療報酬・個別機能訓練加算の適正な引上げに関する請願
要旨  医療保険では、あん摩マッサージ指圧行為は運動制限の原因である疼痛(とうつう)を改善する目的(消炎鎮痛等処置)で点数化されている。介護保険でも、あん摩マッサージ指圧師は機能訓練指導員の人的要件に位置付けられ、指導員の配置が義務化されている特養・デイサービス・ショートステイ・有料老人ホームにおいて専従常勤で配置され個別機能訓練を実施した場合、単位の加算がある。このように、あん摩マッサージ指圧は、腰痛・肩凝りを始め日常生活を営むために必要な機能の減退を防止する訓練を行うものとして認められている。診療報酬・介護報酬は、材料費・人件費に相当するものであるが、あん摩マッサージ指圧師の場合、報酬が余りにも低いのが問題である。消炎鎮痛等処置点数は一九八三年から三百五十円のままであり、個別機能訓練加算も百二十円に抑えられているため、医療・介護施設では、あん摩マッサージ指圧師を配置する賃金が保障できない。この結果、この職域を重要な社会自立のための手段としている視覚障害者の雇用と身分が脅かされ、問題視されている。病院・診療所のあん摩マッサージ指圧師が減少する一方、整骨院を保険が利くマッサージ屋と誤解して整骨院に通う人が増え、社会問題になっている。本来、整骨院(柔道整復師)が治療できるのは、急性・外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷だけで、単なる肩凝り・腰痛等のあん摩マッサージ指圧を行うのは違法で、保険の対象外である。いつでもどこでも、マッサージ・機能訓練が安心して受けられるようにするために、診療報酬・介護報酬を適正に改めるとともに、柔道整復師による不正なマッサージ行為を正すことが重要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、あん摩マッサージ指圧の診療報酬の算定を「消炎鎮痛等処置」(運動制限の原因である鎮痛を目的とするもの)に制限せず、医療上必要なあん摩マッサージ指圧について、診療報酬の算定ができるように改めること。
二、一九八三年から三十年もの長期に据え置かれている「消炎鎮痛等処置」診療報酬点数を、あん摩マッサージ指圧師の人件費に見合う適切なものに引き上げること。介護保険の「個別機能訓練加算」の単位を、あん摩マッサージ指圧師の人件費に見合う適切なものに引き上げること。
三、柔道整復師による違法なマッサージ行為と療養費の不正請求を取り締まること。

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