請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 2246 件名 東北地方の安全・安心を支えるために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願
要旨  年収二百万円以下の給与所得者が七年連続一千万人を超え、働く貧困層(ワーキングプア)が増え続け、年収三百万円以下が給与所得者の四割に達している。過酷な労働条件と低い賃金水準により若者を使い潰すブラック企業の横行、都市と地方の賃金格差による都市部の人口集中と地方の過疎化、国や地方の財政悪化を理由とした社会保障費の削減や消費税増税などにより国民の生活は悪化している。これまで財政難を理由に国と地方の公務員を十二年で約五十万人削減し、平成の大合併で約千五百の市町村が削減された。しかし、国と地方の財政は悪化し続けている。法人税減税等の不公平税制と人員削減や下請単価切下げによる利益のため込みにより経済が衰退し、国と地方の財政悪化を深刻化させている。今求められているのは、公務員の削減ではなく、むしろ国の出先機関と独立行政法人がその責任と役割を発揮し、国民生活をしっかりと支え、地域経済を活性化させる基盤をつくっていくことである。東北地方では、東日本大震災・原発事故の早期復興が急がれる中、これまでも津波や大雨など大規模な自然災害により甚大な被害を受けてきたが、広範な地域住民の命と財産を守る上でも、国として責任を持った行政を行うことが必要不可欠である。経済産業局や地方整備局などの国の出先機関や独立行政法人は、暮らしや雇用、安全・安心の確保など東北地方の住民の基本的人権を支える国の責任と役割を果たすため配置されている。これらの廃止・削減は、国民の健康で文化的な最低限度の生活の水準を保障する国の責任を放棄することにほかならない。地方分権改革や道州制など、国の役割や責任を地方自治体に移行する議論ばかりが進められているが、こうした国民生活の安全・安心を支える国の責務と役割をしっかり発揮するために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制と機能を充実するよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国民の暮らしや雇用、地域の安全・安心を支える国の責任を果たすこと。
二、東北地方の安全・安心を支えるために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制・機能を拡充すること。

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