請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 1771 件名 北海道の国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願
要旨  年収二百万円以下の給与所得者が七年連続一千万人を超え、年収三百万円以下が給与所得者の四割に達している。都市と地方の賃金格差による都市部の人口集中と地方の過疎化、国や地方の財政悪化を理由とした社会保障費の削減や消費税増税などにより国民の生活は悪化している。これまで財政難を理由に国と地方の公務員を十二年で約五十万人削減し、平成の大合併で約千五百の市町村が削減された。しかし、国と地方の財政は悪化し続けている。法人税減税や租税特別措置などの不公平税制と人員削減や下請単価の切下げで利益をため込んでいることで経済が衰退し、国と地方の財政悪化を深刻化させている。今求められているのは、公務員の削減ではなく、むしろ国の出先機関と独立行政法人がその責任と役割を発揮し、国民生活をしっかりと支え、地域経済を活性化させる基盤をつくっていくことである。また、東日本大震災・原発事故の早期復興が急がれる中、御嶽山の噴火などの災害が次々と発生している。災害から国民生活の安全・安心を守る上でも、老朽化が進む橋梁(きょうりょう)やトンネル、下水道などの計画的な補修や日常的な維持管理とそれらを担う行政機関での専門的な技術力の継承が不可欠である。国民誰もが安心して働き、医療・介護・年金・福祉など憲法第二十五条に基づく生活を営むことができる社会を実現するためには、国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実が必要である。地方分権改革や道州制など、国の役割や責任を地方自治体に移行する議論ばかりが進められているが、こうした国民生活の安全・安心を支える国の責務と役割をしっかり発揮するために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制と機能を充実するよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国民の暮らしや雇用、地域の安全・安心を支える国の責任を果たすこと。
二、国の出先機関と独立行政法人の体制・機能を拡充すること。

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