請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 1103 件名 戦時性的強制被害者問題解決促進法の制定に関する請願
要旨  戦時慰安婦問題は、第二次世界大戦時の日本軍による女性の人権侵害として日本が解決を迫られている問題である。政府は解決済みとして法的責任を拒否しているが、韓国、北朝鮮、フィリピン、中国、台湾などの多数の被害者、被害国政府、国際社会はそうした態度を受け入れていない。被害者は高齢化し、生きている間に解決をという悲痛な訴えは日々切実さを増している。政府が道義的責任を果たすとして行った「女性のためのアジア平和国民基金」による償い金事業は被害女性の尊厳を回復するものではなく、基金は多くの関係者に拒否されたまま二〇〇六年度で解散した。日本政府は、国連人権機関やILOから再三慰安婦問題の解決を促す勧告を受けている。二〇〇九年には国連女性差別撤廃委員会から「被害者への補償、加害者処罰、一般の人々に対するこれらの犯罪に関する教育を含む永続的解決への緊急な努力」を再度勧告され、二〇一三年五月には社会権規約委員会及び拷問禁止委員会からも勧告された。韓国政府が被害者の賠償問題について日韓請求権協定に基づく政府間協議を繰り返し求めているにもかかわらず日本政府が協議を拒否していることは重大な問題であり、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきである。政府がこれ以上国際世論に背を向け責任ある対応を拒否し続けることは許されない。侵略戦争によって人間の尊厳と女性の人権を極限まで踏みにじった慰安婦問題を放置したままでは、アジアや世界において諸国民との信頼を築き、名誉ある地位を占めることを目指すという日本国憲法の精神を達成することはできない。安倍首相は、この問題への日本軍の関与と強制を認め謝罪を表明した河野洋平官房長官談話(一九九三年)の見直しを表明し、国内外から厳しい批判を浴びた。河野談話を継承し、被害者が強制的に慰安婦にされた事実を認め、政府の責任を明確にした公式謝罪、法律制定による賠償などの最終解決により被害者の人権回復を行うこと、次世代への正しい歴史教育を行うことは、日本の国際的責務であり、同時に、女性に対する人権侵害を二度と許さないという決意の表明でもある。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、法律制定により「戦時慰安婦」問題の最終解決を行うこと。

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