請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 937 件名 関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明に関する請願
要旨  一九二三年の関東大震災のときには、多くの朝鮮人や中国人が日本の軍隊や警察、民衆により虐殺された。また、朝鮮人と間違えられた日本人虐殺事件や軍隊による労働運動家・無政府主義者らの虐殺事件も起きた。しかし、特に朝鮮人犠牲者については、名前や人数など、その実態はほとんど分かっていない。事件後、議員が帝国議会において内務省や地方行政が流言飛語の拡大に関わったことを追及したが、当時の首相は調査中と答えたまま九十一年がたっている。今日まで虐殺の実態について調査を進めてきたのは各地の市民や研究者であり、流言の流布から虐殺、そして事件の隠蔽に至るまでの日本政府の関与が明らかになった。しかし、これまで日本政府は、虐殺・事件隠蔽に関与したことを認めたことはない。二〇〇三年八月には、日本弁護士連合会が日本政府に対して責任を認め謝罪し真相を調査するように勧告したが、これも政府は無視してきた。再びこうしたジェノサイドを起こさないためにも、この事件の解明が必要である。取り分け、排外主義的な言動が在日外国人に対して公然と繰り返される今、かつて日本が行った虐殺事件を真剣に省みなければならない。日本政府が主体的かつ真摯に事件に向き合い、虐殺事件の真相を究明し、犠牲者についての調査を行うよう強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、日本政府は軍隊や警察が関わった事件も含めて虐殺事件の真相を明らかにし、これを公表すること。
二、日本政府は朝鮮人・中国人・日本人犠牲者について実態調査を行い、これを公表すること。
三、以上の調査を含めた関係資料について、開示と恒久的な保存とを行うこと。

一覧に戻る